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沢木先生お題シリーズ

科学的彼女(四百文字お題小説)

作者: 神村 律子

お借りしたお題は「理系女子」です。

 大学に入って彼女ができた。


 黒髪をポニーテールにして楕円形の黒縁眼鏡をかけたスレンダーな美人だが、ちょっと変わっていた。


 キャンパスで会う時はいつも白衣を着ている。


「コーヒーの生豆には多糖を中心とする糖類、アミノ酸やタンパク質、脂質の他クロロゲン酸、アルカロイドであるカフェインやトリゴネリン、ジテルペンであるカフェストールやカーウェオールなど、特徴的な成分が含まれているわ」


 喫茶室での会話も変わっていた。


「それらの成分は焙煎によって化学変化を起こして、数百種類の成分が焙煎豆に含まれるようになるの。最初に生豆中の水分が蒸発して焙焦反応と呼ばれる反応が起きるわ。多糖やタンパク質はこの過程で加熱分解されて低分子の糖類やアミノ酸を生じさせ、さまざまな味と香りを生み出すの」


 初めは戸惑ったけど、彼女なりの会話をしようという努力の結果だとわかり、ますます可愛いと思えるようになった。


 彼女と付き合えて良かったな。

ちょっとした思いつきです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 良かったっス! りったん、ひさびさの傑作。 もう少し長いお話にしたら良いのにな。 例えば、彼女を両親に紹介しようとしてドタバタになり悪戦苦闘する話とか……。
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