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第三部 第三十九章 自然な、ありのままでは善いものである、上のものからの感化力が、どのように下のものでは悪く成って悪いものをもたらすのか

 第三部 第三十九章 自然な、ありのままでは善いものである、上のものからの感化力が、どのように下のものでは悪く成って悪いものをもたらすのか


 全ての能力や力は、上のものからの物、神からの物、知的存在である善良な霊的存在と星々からの物である。

 上のもの、神、知的存在である善良な霊的存在と星々は、(あやま)ちを犯さないし、悪事を行わない。

 そのため、上のものからの感化力の悪意ではなく、感化力を受け取る下の者の悪意が、全ての悪いものと、下のものに存在する上のものとの食い違いをもたらしている。


 このため、次のように、クリュシッポスは、正しく、詩で話している。

「人は、愚者のように、神々に無実の罪を着せて、人は、神々を人の全ての不幸の原因とみなしてしまうが、人の愚かさが、人自身を害しているのに」


 そのため、次のように、ホメロスの話の中で、ユピテル、ゼウスは、オレステスがアイギストスに報復して殺した時の事を思い出して、神々の会議で、「人は、人自身の邪悪さによって危険に(おちい)った時に、『神々が悪の原因、源泉である』と非難する(。人が『神々が悪の原因、源泉である』と非難するのは、何と悪行である事か?!)」と話している。


 悪人からの感化力を受け取ったものの邪悪さや弱さは、上のものからの(善い)効力を存続できない。

 このため、不調和に満ちたものは、天からの(善い)感化力を受け取ると、不調和な奇形な悪いものをもたらす。


 しかし、天に存在している間は、天の力は常に善いままである。


 光をもたらす者である神から知的存在である善良な霊的存在や天を経由して月に至るまでは、言わば、第一の段階では、天からの力は善である。


 けれども、悪いものが天からの力を受け取ると、天からの力は(そこ)なわれてしまう。


 また、多様な、受け取るものの性質によって、天からの力は多様な様相で受け取られる。

 また、受け取るものが同じでも、不一致の諸性質によって、天からの力は多様と成るし、部分的には受け取るものから感化を与えられる。


 そのため、受け取ったものがとらえた全てのものから、最終的には、上のものが送ったものとは異なるものがもたらされる。


 このため、下のものによる有害な性質は、天から流入しているものとは遠く異なる。


 そのため、かすめ目という不調を光のせいにするべきではなく、

燃えるのを火のせいにするべきではなく、

傷を剣のせいにするべきではなく、

足かせと牢獄を裁判官のせいにするべきではなく、

悪意と犯罪者のせいにするべきである。


 悪人の(あやま)ちを天からの感化力のせいにするべきではない。


 このため、人に善意が有ると、天からの感化力は善いものとして全てのものに協力する。

 しかし、人に悪意や罪が有ると、神からの善いものは、人の中に存在したとしても、人から離れてしまい、全てのものが悪いものとして作用してしまう。


 そのため、全ての人の悪の原因は罪である。

 罪とは、人の魂の不調なのである。


 このため、悪い統治や、天からの感化力が望むものからの堕落、全てのものの反乱、不調は、人が破損したためである。


 人が破損すると、最も適切に、最も甘美な調和で構成されていた人の肉体の中で、四大元素の不調が始まるし、悪い性質が生じる。

 そして、善いものですら不調に成って分裂して、移り変わりによって、肉体を苦しめてしまう。

 その時、過剰か減少か、内面的な事故か、過剰な食べ物によって、最も激しい不調が認められて、不調から過剰な体液が生成されて、不調が原因で欠陥が生じる。

 さらに、動物的な精神は、タガが外れて、争いに(おちい)ってしまう。

 すると、天からの感化力は、天からの感化力自体は善いものであるが、(悪い)人には有害と成ってしまう。

 太陽からの光が(直視すると)人の目には悪い性質であるように。


 そのため、土星は、苦しみ、退屈、憂鬱(ゆううつ)、狂気、悲しみ、頑固、厳しさ、神への冒涜、自暴自棄、嘘つき、霊の出現、恐怖、死者の徘徊(はいかい)、悪人の霊の活発な活動を(悪い)人にもたらしてしまう。

 木星は、貪欲、富を得るための邪悪な機会、圧政を(悪い)人にもたらしてしまう。

 火星は、怒り、神を冒涜する傲慢(ごうまん)、暴力、激しい頑固を(悪い)人にもたらしてしまう。

 太陽は、傲慢(ごうまん)()く事を知らない野望を(悪い)人にもたらしてしまう。

 金星は、好色的な不実さ、好色な愛着、悪い淫らな性欲を(悪い)人にもたらしてしまう。

 水星は、詐欺、悪賢い悪い欲望、罪への傾向を(悪い)人にもたらしてしまう。

 月は、気まぐれ、人の性質に反した物を(悪い)人にもたらしてしまう。


 このため、(悪い)人は、天からの物に相応(ふさわ)しくないので、損害を受け取る。

 しかし、人は、天から利益を受け取るべきなのである。


 天からの物との不一致によって、(悪い)人は悪人の霊に従う羽目に成る。

 悪人の霊は、神からの役人として、(悪い)人を罰する役割を果たす。

 とプロクロスは話している。


 (悪い)人は、罪をつぐなうまで、罪を清めるまで、神の性質に戻るまで、悪人の霊によって苦しめられる。


 そのため、優れた魔術師は、星々の配置による災害の性質を予知すると、予防したり、注意したり、守ったりして、星々の配置によって襲いかかってくる災害を防止できるし、

優れた魔術師は、星々の配置による被害を最小限しか受けないし、

優れた魔術師は、星々の配置による被害を最小限しか受けず、星々の配置から利益を受け取る。


 すでに話したように、(悪い)人は、星々の配置から損害を受け取る。

 しかし、人は、天から利益を受け取るべきなのである。

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