第一部 第十六章 どのように力の作用は、あるものから別のものへ伝わって相互に交流するのか
第一部 第十六章 どのように力の作用は、あるものから別のものへ伝わって相互に交流するのか
自然のものの力は大いなる物であるので、自然のものは力が近くの全てのものに作用する、だけではなく、
自然のものは類似の力を近くの全てのものに吹き込むし、
自然のものが近くの全てのものに吹き込んだ類似の力によって、近くの全てのものも他のものに作用する、と知る必要が有る。
人々が見るように、アウグスティヌスとアルベルトゥスが見たと話しているように、磁石は鉄を引き寄せる、だけではなく、磁石は力を鉄に吹き込み、磁化された鉄は鉄を引き寄せる。
同様に、アウグスティヌスとアルベルトゥスが話しているように、
一般的に淫らな女は基本的に図々(ずうずう)しいほど大胆であり、近くの全ての者に、図々しいほど大胆という性質による感化を与えて、淫らな女の近くの全ての者は淫らな女のように大胆に成る。
そのため、淫らな女の肌着を身につけたり、淫らな女が日ごろ見ていた手鏡を携帯したりすると、生意気で図々(ずうずう)しいほど大胆に淫らに成る、とアウグスティヌスとアルベルトゥスは話している。
同様に、死体を包んでいた衣服を身につけると、悲しく憂鬱に成る、とアウグスティヌスとアルベルトゥスは話している。
絞首刑に使用された縄には不思議な性質が有る。
同様の話をプリニウスが話している。
盲目にした緑色のトカゲを鉄か黄金の指輪と共にガラス容器の中に入れて地下に置きガラス容器を密閉し、トカゲが視力を取り戻したらトカゲをガラス容器から出すと、鉄か黄金の指輪は目の炎症を改善するし、
鉄か黄金の指輪が、どんな刺し傷のイタチの目でも、視力を取り戻させる事は確実である。
同様の理由で、
しばらくの間、スズメかツバメの巣の中に置かれていた指輪は愛、愛情を入手するのに昔は使われた。
