第二話 レベル1、無一文無スキル
ひどく蒸し暑い場所だ・・・
生い茂る森の臭いもきつい
どうやらまったく知らない世界に転生したようだ
まったく人の言い分も聞かずに強制転生しやがって・・・
しかし俺は慌ててなどない
転生にかけてはベテランクラスだ
転生の基本であるステータスパネルを開く・・・・
「はぁ???」
素っ頓狂な声が思わず口をついて出る
「れ、レベル1・・・・」
「戦闘スキルが・・・・ない・・・・・」
今までが恵まれすぎていたのだろうか・・・・
挙句、冒険の支度金すらない・・・・・
いったいこんな状態からどうしろと・・・・・
仕方なくサブステータスも確認する
「交渉術LV10、カンストか・・・・後は書類作成・・・これもカンスト」
「いったいこんなのでどう戦えと・・・・ははは・・・」
その時転生女神ジアハードの言葉を思い返していた
「あなたは商人として世界を救ってください」
待てよ?商人ならこの交渉術は生きてくるんじゃないか?
後書類作成も重要だ・・・そういうことか・・・・
しかし今モンスターにでも襲われたら終わりだな・・・
よし!急いで街に向かおう。
まずはそこからだ
こうして俺は今までの転生経験の勘を頼りに
マップもないまま、街がありそうな方向へ走り出した
今回こそは失敗できない・・・・死んだら終わり・・・・