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〜罠は踏み壊す! byドワーフ〜


「ふむぅ・・・」

「どうした?白氷?」


「ん?・・うむ・・・心なしか・・・この塔の造りはニックが作り出す物に似ておるように思うのじゃが?」

「そうなんだよ・・・俺もそれが不思議・・・」


「なぜであろうのう?」

「多分・・起源が同じところなのかもしれないな・・・」


「・・つまり・・敵サイドにはニックのような輩が居るということかえ?」

「・・・可能性は・・薄いけど・・・似たような者が居る可能性はあるね・・」


「・・それは厄介じゃな・・・」

「でも、俺がもし敵サイドなら・・こんな砂漠を作り出すことはないんだがなぁ・・」


「そういうものかえ?」

「そうだね・・砂漠が多くなると、生物に必要な酸素も少なくなるし・・・何より食料もダメに成る・・」


「・・・もしや・・敵サイドのニックは・・酸素や食料を必要としない存在かもしれぬぞ?」

「・・・そう思っても・・・資源を食いつぶすだけなんて・・・勿体無いだろ?」


「ふむ・・・まぁ、居るかもしれぬ存在に危惧しても仕方ないのじゃが・・・」

「まぁ・・もう少し色々見ていこうよ」


「そうじゃな・・」


暫く、階層を練り歩く・・・何処の造りも転生前の遊興施設や宿泊施設程度の造りになっている・・・

目新しいものはコレと言ってない・・・・


・・・ただ・・ここまでの構造体を作れる技術が在るにも関わらず・・・目新しいものがない・・コレがどうも違和感を覚える・・


「ふむ・・コレと言って、レムリアと大差ないではないか・・・いや・・レムリアよりも数段劣る技術レベルかもしれぬが・・・」

「白氷もそう思う?」


「ふむ・・妾は、レムリアしかしらぬでな・・それと比べるのであればと言うはなしじゃ・・」

「ふむ・・・」


「ニックはどう思うのじゃ?ここの技術レベルは明らかにニックの所有している技術よりも劣っているように見えるのじゃが?」

「そうなんだよ・・・たださ?この塔や入り口の造りから考えると・・もっと、レベルが高くてもイイはずなんだ・・・」


「つまり・・・ここは、氷山の一角ということかえ?」

「多分、来客用の単純な施設と成ってるんじゃないかな?」


「ふむ・・単純な施設でこれなのかえ?」

「そう考えると逆にすごいかな?とは思ってる・・・秘密の技術を完全に隠蔽してるわけだしね」


「ふむ・・はやり一筋縄ではゆかぬか・・・」

「だろうね・・・」


・・・しかし・・このままじゃ何も掴めないままだしなぁ・・・どうするか・・

・・あの、お世話係のロボットにこの塔の正式な入場申請でもしておこうかな・・・できるかな?


「白氷・・一度戻ろう」

「ふむ・・そうじゃな・・目ぼしいものは見つからぬしのう・・」


俺等は、一度王次郎が遊んでいる部屋まで戻ることにした。



部屋に戻ると、相変わらず王次郎は食事をバクバクと摂っている。

「王次郎・・どう?美味しい?」


「ママー!」モグモグ

「王次郎・・・どんだけ食べてるの?」


「んー?いっぱーいw」

「あんまり食べすぎるとお腹こわしちゃうよ?」


「むー・・・・・まだ足りないのー・・・」

「そうかー・・じゃぁ、もう少し食べようか?」


「うん!」


「白氷・・俺らも頂くとしようか・・」

「妾は・・遠慮しておこうかのう・・・」


「毒なんかのチェックはしたよ?」

「いや・・そういうことではない・・・妾は此のような得体のしれぬドロドロとしたものは食えぬといっておるのじゃ・・・」


「・・・そうか・・そうだよな・・・」


此の施設に来て、出される食べ物・・・全てが、流動食に似た物ばかり出ている。


流動食・・・・一見其のようにみえるが・・彩りは華やかだ・・碁盤の目のように仕切りが在る金属製のプレートに様々な彩りの流動食が流し込まれている。


食べてないからわからないけど・・王次郎は喜んでいるみたいだし・・・


何より、この砂漠に来てから・・腹が減っている・・どっかで、消費負荷がかかっているようだ・・・

いや・・砂漠じゃないな・・この塔に入ってからと行ったほうが正しいようだ・・・なにか仕掛けられてないか?・・・・


・・早めに退散したほうが良いかもしれない・・・成果はあまり無かったが・・・仕方ないか・・

でも・・最低限の情報は仕入れていこうか・・・ロボット・・答えてくれるかな?


「其処の君・・ロボットさん・・・」

「ワタクシデスカ」


「そうそう・・・。この施設は見慣れないけどどんな施設なんだい?」

「トウシセツハ、シュクハクユウキョウヲ、モクテキニツクラレテオリマス」


・・・ほう・・・・ロボット・・嘘つきやがった・・・・なるほど・・・


「そうか・・・じゃぁ・・もっと下の階層には豪華な部屋が在るんだな?」

「ハイ」


「外から見たけど・・動力は地熱だろ?」

「イイエ、タイヨウコウニヨル、ハツデンンニナッテオリマス」


・・・・わかりやすいウソだな・・・・余りCPU足らないんじゃないか?・・・まぁいい・・・つまり、隠したいことが在るってことね・・・


「そーかー・・・ソーラー発電なんだ・・いいねー」

「エコロジーデス」


「そう言えば、入り口から出てきた三体のロボット・・ここじゃ見ないけどどうしたの?」

「カソウシセツノ、ジュンカイニ、アタッテイマス」


「ふーん・・・」

「オキャクサマ、トウシセツヲオクツロギクダサイ」


「ああ・・はいはい・・・そう言えばさ・・外の空気でも吸いたいんだ・・・表に出してよ」

「・・・・・・・・・・」


「オキャクサマ・・・・アマリセンサクハ、イタダケマセンヨ」

「・・・そうか・・・そうだったな、悪い悪い・・・少し、興味が出てしまってね・・・暫くはここに厄介になろう」


「ソウデスカ、ソレデハ、ゴユルリト、オクツロギクダサイ」

「ああ・・そうさせてもらう」


・・・・・・やばいな・・やはり罠だ・・・・王次郎はまだしも・・・白氷は・・余り耐久性に乏しい・・余り荒事には突き合わせたくないんだが・・・・


(王次郎・・・・静かにしいて)

(んー?どうしたのー?)


(ソロソロこの施設から抜け出さないと・・・やられるかもしれない・・・)

(!ママー!こわいよー!)


(だから・・これから此の施設を壊して外に出るつもりだ・・・)

(わかったよ!・・ボク・・頑張る!)


(うん!いい子だ!・・・・ついでに白氷を見守ってほしい・・できるかな?)

(わかったよー!おねーちゃん守る!ボク頑張るよ!)


(偉い子だー!すごいなー!王次郎は!)

(へへーw)


続いて、白氷にも・・


(白氷・・これから此の施設を出る・・・今のやり取り見ただろ?)

(うむ・・怪しさ満点じゃ・・しかし・・・なぜか、体に力が入りづらく成り始めておる・・・どういうことじゃ?)


(おそらく・・この施設に滞在している間・・・エネルギーを吸い取られている・・・)

(誠か!それは一大事じゃ!早う逃げねば!)


(うん・・だから、施設壊して外に出るんだけど・・白氷、済まないが王次郎と一緒にいてくれ・・)

(其の方はどうするのじゃ?)


(俺は、皆が逃げるのを見てから殿を務めるよ・・・)

(・・・必ず生き残るのじゃ・・よいな?)


(ああ・・俺も会話のあとから急に消費量増やされた・・・早くしないとヤバイんで・・即行で始めるよ)

(う・・うむ!)


「王次郎・・そろそろ帰ろうか?」

「ママー!もう帰っちゃうのー?」


「そーだなー・・こんなところつまらないし、休憩もできたしねー」

「オキャクサマ、モウソトハヒガクレテオリマス、オトマリニナッテハ、イカガデスカ」


「そーだなー・・それも良いんだけど・・・家に残した者が可愛そうでね・・そろそろ・・・お暇するよ」

「・・・・・・・・・」


「ロボットさん?どうしたんだい?・・・顔色悪いよ?」

「オキャクサマ・・・トウシセツは、オキニメシマセンデシタカ」


「お気にめすも召さないも・・・最初から罠だと分かってたんだ・・・こっちも情報がほしいから付き合ったけど・・もう、目ぼしいものは無いからね・・・お暇させてもらうよ。」

「・・・・・ソレハ、ユルセマセン・・・・・トウシセツノダイジナ、エネルギー」


「そうか・・地熱だけでは賄えないのか・・なるほど・・生体化学変換系の技術が無いからか?」

「・・・・」


「俺だけのエネルギーなら多めに見てやっても良かったけどな・・・白氷にエネルギーも奪ってるだろ・・許せるわけ無いだろ・・・だから・・・・・。 王次郎!壁に向かって王次郎砲を打て!」

「うん!」


王次郎が元気に返事をするやいなや、パンツをめくり、お尻を突き出す。


チュイーーーーーーーーーーーーーーーーーン

ファンファンファンファン。


チィーーーーーーーーーーー

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン


発動から発射までが以前より短くなっている・・王次郎も成長しているようだ・・・

爆風から白氷をかばい、俺は、そんなことを思っていた。


爆風が収まると、壁には大きな穴が開いており、外が見えている。

今しか無い!逃げるぞ!


「白氷!王次郎の元へ!」

「う・・うむ!」


「王次郎!白氷と共に表で待機してろ!俺は直ぐにいく!」

「ママー!きおつけてねー!」


王次郎が表に飛び出し、船に変化、その中へ白氷が飛び込むのを見送り、俺は、煙の立ち込める部屋の中を見渡す。


「ってわけだ・・・ソロソロ、顔出すなりしたらどうだい?」

「・・・・・・・・・・チッ・・きずいてたのか・・・・食えない奴だ・・・」


煙の中から、一人の男・・人間に見える者が出てくる。


「何時から気づいてた?」

「最初からだよ。」


「分かってて罠にハマったのか?」

「そりゃね。どんな罠なのか知りたいだろ?」


「ふん・・そうか・・・で?逃げれると思ってんのか?」

「そりゃねー?逃げれるでしょw穴も開いてるわけだしね」


「穴・・穴・・穴ねぇ?・・どこに開いてるんだ?穴?」


言われて俺が振り返ると、そこにはさっき開いていたはずの穴が既に塞がっているのが見える。

・・なるほど・・・外郭は流体金属か何かで覆われてたのか・・・形状も固定化できるみたいだな・・使いどころが多い技術だ・・ふむ。


「へー・・自己修復・・いや・・・他のとこの金属集めて塞いだか・・・」

「あのチビの攻撃には驚かされたがな・・・まぁ、お前一人では出れないだろう・・・残念だったな」


「そうかな?アノくらいの破壊力・・出せないと思ってんのか?」

「・・・その容積では・・たかが知れてるだろ・・・せいぜい焦がす程度だ」


「はっw見くびられたのか?お前ら機械人類は、固定的な思考の持ち主のようだ・・ふむ・・・嫌いじゃないが・・付き合いたかねーなw」

「いってろ・・・もうどこにも逃げれないだろ・・・おとなしく投降しろ」


「そりゃ出来ない相談だ・・・ってか交渉にもなってないなw」

「チッ・・これは使いたかなかったが・・・。スフィア、侵入者にエネルギードレインをかけろ」


”ハイ、侵入者にドレインヲシカケマス”


・・・そうか・・こいつらも思考結晶もってるのか・・なるほど・・・だからか・・・


次の瞬間、床面に接している足に違和感が走る・・突然足の力が失われ崩れ落ちる感じで、床に倒れる。


・・・ほう・・・相当威力が高いな・・面白い・・・


「ふん・・・もうコレでお前は逃げれないだろ・・・諦めな」

「そうかい?・・・・・此の程度のエネルギー・・・どーってこと無いけど?」


「なにっ!」

俺は、蓄積しているATPから急速にエネルギーを作り出し、さっさと立ち直る。


「どうした!?そんなに驚いて・・・動けなくなったかとおもったか?」

「・・・・どうして・・・スフィアの力が及ばない?」


「スフィア・・シフィアねぇ・・・・なるほど、そっちの思考結晶はスフィアって名前なのか?名前からして・・・球体なんだな?」

「チッ!・・喋りすぎたか・・・」


「ちなみにウチも思考結晶もってるからね・・・俺には無理かな・・だいたいのことは分かるよ」

「お前ら人間がスフィアをもってると!?そんなバカな・・・正規品は全て買い取った・・しかもプロトタイプはすべて破棄したと聞いてる・・・・なぜだ?」


「そんなこといわれれもなぁ〜?持ってるもんはもってんだ・・そういうことだ・・・じゃ・・・おれは逃げるけど・・・・あ・・そこに転がってるロボット頂いてくよ?」


俺は、左手でロボットの腕を掴み右手を壁に向ける。

腕に力を集中。

右腕の至るところに直径5ミリほどの水晶体が浮かび上がり、それが一瞬に光る。


次の瞬間には壁に大穴が開いていた・・ほとんど音もなく・・正にパーフェクト!


「!なんだ!その力!・・・・我ら以上の技術力だとでも言うのか!?」

「ん?ああ・・そうね・・そうっていとこう・・・そっちのが面白いしね」

「んじゃ、そういうことでwバイチャー!」


俺が、ロボットを掴んでそのまま空中に飛び出す。

後ろの方で、男が叫んでいた。


「くそ!・・・・・皆のもの!出撃だ!奴を!奴等を逃がすな!」



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