The end of illusion
初めての投稿です。
プロローグなのでものすごく短いですが、面白いと思ってもらえれば幸いですが、この短い文面で面白さなど伝わる方が難しいので、さらっと読んでもらえればと思います。
「プロローグ」
視線を動かすと辺りには無数の死体が転がっていた。
今まで共に行動し、背中を預け、死線をくぐり抜けてきた仲間達だ。名前も全員わかる。だがそれらが誰であったのかは、もうわからない。腕が飛び、足がちぎれ、頭は焼かれ、潰れ、ひしゃげ、欠落して、それらを判別することもできない。
耳を澄ませば銃声が鳴り止まることもなく響き渡っている。
彼らを、それらにしたあれと戦っているのだ。銃声に交じった轟音と怒号。そういった音がこの戦闘の苛烈さを表している。だがここに泣き叫ぶ者はいない。心が強いのではない。皆あれを殺すことに、そして生き抜くことで精一杯なのだ。
手に感触が戻ってきた。
手に感じるのは固く冷たい鉄の感触。それを温めるように少し握ると、ひどく冷たい感触が手全体に伝わった。どこかひんやりとしたそれは、気持ちがよく、ふらついた頭を少しずつだが目覚めさせた。
今度は強く握りしめた。感触を楽しむためではない。冴え始めた頭がそれを手に取れと言っているのだ。手に取って戦えと。
立ち上がろうと足に力を入れると、まだふらつく頭がそれを遮る。頭の中では戦えという意志とまだ休めという体の条件反射が交差して、さらに頭を混乱させていた。
ふと鼻孔に鉄のような嫌な匂いが通った。嗅ぎなれた匂いだ。いや慣れてはいけない匂いか。
匂いの元は近くにあった。一瞬それが何かわからなかったが、すぐに理解した。気づかなかったが、周りに転がるそれらの一つがすぐそばにまで吹き飛んで来ていたようだ。それは意志のない瞳をこちらに向け、転がっている。そしてその下から流れ出ていた赤黒い液体が、近くを流れ鼻孔を強くついたのだろう。だが動揺はなかった。なぜなら仕方のない事だから。ありふれた光景であるから。
もう一度足に力を入れる。今度はふらつくこともなく立ち上がることができた。皮肉なことに鼻孔をついたこの匂いが頭を働かせたのだ。動かなければお前もこうなるぞと。単純な生存本能が体の悲鳴を押し殺したのだ。
立ち上がってわかったことがある。体中がボロボロだ。それはもう、今すぐにでももう一度倒れ込みたいほどに。だがそんな体の悲鳴をもう一度押し殺し、立ち上がる。
生存本能が生き残れと言う。だがなぜ。どうして生き残らなければならないのか。そこで胸の内に、ある疑問が去来する。
ーー俺はなんで生き残りたいのだ?
だが結論は何もない。生きているから生きる。何度も頭を過ぎ去る無意味な疑問に、意味のない答えで無価値な結論を出し、俺は手に持った鉄の塊をあれへと向けた。
ただただ理由のない命に縋る為に。ただただ無様な命を散らす為に。俺は武器を握り、そして戦う。それが俺の唯一の選択肢なのだから。
短いですね。おそらく一分もかからない。
これから頑張って書いて行こうと思います。出来るだけ早く続きを投稿できるよう頭をフル回転させていきます。
というかこういった投稿のやり方でよかったのか?とか思ってますが、まぁなる様になるでしょう。
最後にこれは一応異世界モノで間違いないので、よろしくお願いします。