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#279 そこに愛はあっただろうか? 2

 俺が1番会いたくないのが女神だとするならば2番目はこの龍の聖女であろう。

 ちなみに最近まで2番だったレオンは3番目に降格したところだ。

 1度しか話していないのにごぼう抜きでランクインとは末恐ろしい。

 こいつは通信限定とはいえ、女神と同じく相手の都合はお構い無く、神出鬼没というのは本当に困ったもんである。


 正直もう関わりあいになりたくはない。

 とはいえ、いまのところニーナの件は保留までに持っていったが、あの女神のことだ、いつ気が変わるかわからない。

 ラーメンの盾は無敵という保証があるわけではないということだ。

 ゆえに1つの対抗手段として龍の聖女との関わりを維持する必要がある。

 だがこちらも絶対的な切り札かどうかもわからないのでどうにも気が乗らない。


「晃君~ナイスファンタジ~」


 ああ、その言い方、女神っぽいからやめたほうがいいぞ。

 と俺が忠告するのだが、龍の聖女は真顔で、


「え~、でも素敵じゃ~ない? 語感もいいし~」


 素敵というよりは……いや止めておこう、不毛だ。

 で、どうした、なんか用事か?


「まずは報告~。無事に惑星ラフェスルにたどり着いたよ」


 ああそうかい。

 そりゃあ俺も女神の気を引いた甲斐があったよ。


「ありがとう~。晃君も無事で~何より~」


 と親指をたてる龍の聖女。

 ちなみにカグヤは龍の聖女相手には恐れがないのか俺の後ろに隠れるようなことはしていない。

 現在はレーティアに連絡して宇宙船の機能の管理とポーラ、ニーナを俺の部屋に近寄らせないように指示を出している。

 それは大事なことだ、特にニーナは絶対に来させるな。

 ニーナのかわいさに龍の聖女がエラーを起こして女神のように欲しがられても厄介だしな。


「あの~、もう月で~、ニーナちゃんの~オリジナルや~同胞にも~会ったんだけど~?」


 ウチの子と姿形は似ているかもしれないが、アイツたちにはニーナのように内面から溢れでるかわいさのオーラがない!

 一目で別物だとわかるレベルだ!


「……すみません、ウチの船長、本当にニーナが絡むと親バカがひどくて」

「いいのよ~。愛こそファンタジーの~根幹なのよ~。愛こそスペースオペラを~滅ぼすのよ~」


 なぜかひどく馬鹿にされたような気もするが話を進めよう。


 ラフェスルの月にいるニーナの同胞はどんな感じだ?


「えっと~、パニックになってた~」


 頬に指を当てて首をかしげる龍の聖女。

 さもありなん、誰がそう簡単に受け入れようか。


「晃君は~すぐに受け入れたのにねぇ~」


 慣れって怖いね、いやホントに。

 普段からドラゴンやら女神に会ってると感覚がマヒするよ。


「船長の適応力は最初から半端なかったですよ」


 とカグヤが白い目で俺を見る

 そうだったかな?

 俺みたいな小庶民はおっかないから引きこもっていたような気がするが?


「ドラゴンスレイヤーと呼ばれるようになってドラゴンから恐れられる存在になっても変わらず引きこもってますけどね」


 まあ他称だし。

 俺自身は何も変わっていない。

 むしろ引きこもることで慣れやらマヒから精神を守っているのだよ!


「でも~引きこもっていたら~ファンタジーにはならないのよ~」


 お願いだから女神と似たようなことを言わないでほしい。

 で、メイ一派はどうしたって?


「とりあえず~月の内側に行ってもらって~、ファンタジーを~体験してもらうことにしたの~」


 もの凄くいい笑顔で告げる。

 ……ああ、やっぱこいつも女神と同類だわ。


「晃君の言ってた~、魔王から~人類を守るドラゴンのストーリーを、見せてるの~」


 そうか、さぞかし魔王は邪悪なんだろう。


「それは~とびっきりに~」


 まあそこは仕方あるまい。

 彼女もその体を構成するドラゴンの魂もさぞや恨み骨髄に徹していることだろうしな。


 で、あいつらは説得できるかどうかはさておき、使えそうか?


「そうねぇ~。管理頭脳を~使わないくせに~科学を信じすぎかなぁ~って」


 まあ普通はそうだよ。

 見たことのないファンタジーより科学を信じるさ。

 日本の中二病患者ぐらいだよ、ノリノリでファンタジーの世界に行くのは。


「ゆゆしき~問題ねぇ」


 あんただけな。

 どうしてスペースオペラ好きもファンタジー好きも極端かね。

 もうちょい段階を経てほしいものだ。



「でも~あの子たちには~どうにか賢者とそのホムンクルスとして~役立ってもらいたいの~」


 …………まあ、なんだ、その、がんばれ。


「ファンタジーと~科学を~融合させて~、なんかすごいの作ってほしいの~」


 ずいぶんふわっとした言い分だな、おい。


「創造主倒すのに~手段は~多ければ~多いほど~いいでしょう~」


 まあそれは認めよう。 

 問題はできるかどうかだがな。


「素質はありそうなの~。あとは方向性~」


 どこにその根拠があるのかわからないが自信満々に言う龍の聖女。

 ……そうかい。

 まあ何世代かかるかわからんが、気長にやりな。



とくに望まれていない龍の聖女の再登場ですw


女神が右腕にと作った存在なので結局大本は似通るのですよ、これがまた。

違うのは方向性のみなのかなぁ。

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