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#258 想いは奇跡の鐘を鳴らす 11

 つまりは死んだはずの龍の聖女が廃棄ドラゴンの無念で復活したと?


「そうなの~」


 その間延びしたというか、のんきな口調はまだうまく調整がされていないってことかな?


「これは~もとから~」


 ……そうですか、聞くんじゃなかった。



 そもそも君は何で廃棄されたんだ?

 ドラゴンたちは意に沿わなかったら容赦なく調整室送りのようだが、そのクチか?


「う~んとねぇ、……方向性の違い~?」


 バンドの解散理由みたいなこと言わないでくれるかな?

 音楽の方向性ではなくスペースオペラの方向性の違いで調整室送りにされたと?


「そ~なのよ~。あたしの権限で~、ドラゴンたちに~、指示してたんだけど~、方向性が違うって~怒られて~」


 ちなみにどんな方向性だったんだ?


「宇宙で~砲撃戦なんて~流行らないって思って~、ファンタジー色を強めて~、宇宙をドラゴンの背中に乗ってぇ~、魔法で撃ち合ってぇ~、最後はぶつかりあって~剣や拳で戦うの~。やっぱり~人間~最後は肉弾戦、よね~」


 うん、ヤバい。

 こいつも相当にヤバいやつだ。


 てかそれだとドラゴンの負担も大きいだろうに、よくドラゴンたちは聖女を助けようとしたな?


「う~とね、廃棄ドラゴンたちの~話を~聞いてみる~」


 てか聞けるのか?


「聞けるのよ~。だって、あたしの体の半分はドラゴンたちの屍だもの~」


 いや恐ろしいことを笑顔で言わないでくれるかな?


「じゃあ~ドラゴンたちの魂が~私に詰まっているのを~」


 さほど変わらないぞ。


「ドラゴンたちの~魂が言うには~いきなり無茶振りして~、できなければ調整室の創造主より~、段階を経ている~あたしのほうが、マシなんだってぇ~」


 それは消去法ではなかろうか?


「あとは~、あたし、ドラゴンの管理者で~、魂の管理してるから~創造主に~恨み持っている子は~どうしても~あたしの味方になるのよ~」


 魂の管理ってなんだよ。

 そもそも魂ってなんだよ、カグヤに聞けば禁則事項って教えてくれないし、女神はレーティアやテツジンに魂があるからタイガーとか言い出したし。


「タイガーの設定自体は船長の発案の後乗りですけど」

「タイガーちゃんって~、ずいぶんと面白い設定よね~。でも~、いいのかしら~って感じよねぇ~」


 なんでだ?


「魂ってのは~、想いの強さで~、奇跡を起こせる能力なのよ~」


 またわかりにくいな。


「えっとねぇ~。大事の恋人のために~、きれいな花を贈るために~、絶対に自力では登れない、断崖絶壁を登れるの~」


 他にも例としては子供を守るために強盗を撃退するだの、誰かを救うために勝負に勝てるだの、死なせたくないと必死で治療をおこなうと一命を取り留めるだの、国を守るためにドラゴンを倒せる力になりうるのだと言う。

 

 なんだろうか、自分の能力の限界を一時的に超えられるってことかな?


「そうねぇ~、あとたまに~人知を超えた奇跡とか~信じられない強運とかが~やってくるのよ~」


 そう考えるとレーティアの場合、管理頭脳に魂を持たせたいと必死だったヨミ博士の執念が奇跡を起こしてレーティアに魂を与えたということだろうか?


 テツジンの場合はどうだろうか?

 天才に挑むべく執念を燃やしてきたマスターが起こした奇跡が、後世に自分のラーメンを残すということだったのか?

 このラーメンでも届かないものがこの世にはあったということが彼にとって最後の天才の賛美なのかもしれない。


「何かを~成しえようとするのなら~、想いと言う~燃料が必要なの~。それが~強ければ強いほど~、奇跡が~引き起こせるのよ~」


 その強い想いを奇跡へと変換することができるのが魂ってことか。

 ということは今後レーティアやテツジンも何か強い想いを持てば何か奇跡を起こせると。


「ピンポ~ン」


 と間の抜けた声とジェスチャー。


 まあ魂についてはそれでいいとして、その管理って何してるんだ?


「えっとねぇ~。ドラゴンって~基本的に~魂はないのよ~」


 そうなんだ?


「そ~なのよ。でもあたしは~、魂をあげる~権限を持っていて~、頑張った子にはバンバンあげてたのよ~」


 そうなのか。


「あれ~、リアクション低い~」

 

 と言われても、それが凄いことなのかさっぱりわからん。

 

「凄いのよ~」


 そうか、でもさ、話を聞く限り基本ドラゴンには魂がないのなら、ここにいる第2世代のカグヤには魂がないっていうのか?

 俺はこいつもレーティアと同じように魂があると思っていたからな。

 なんだかんだで人間と話しているのと同じような感覚だしな。


「えっと~、カグヤは~魂あるわよ~」

「え? そうなんですか?」


 龍の聖女の言葉に驚くカグヤ。

 てかお前知らないのかよ?


「知りませんよ、私は普通のドラゴンだと思ってましたから」


 普通ってなんだろう?


「創造主が~こそっと~あげたみたいよ~」


 俺と旅する特典のようなもんだろうか?


「そんな特典より旅自体をしたくなかったですけどね」


 お互い様だよ。


「まあいいじゃ~ない。別に~あって困るようなものでもないし~」

「なくても困りそうにないですけど? 面倒ごとになる前に捨てられるなら捨てたい気分です」


 カグヤの言葉に龍の聖女は首を振る。


「それを~捨てるなんて~とんでもな~い。持ってないと~創造主に~勝てないわよ~」


 おい!

 いまなんて言った!

 そこんとこ詳しく!



女神には女神で、龍の聖女を断罪する理由があったのですよ。

正当かどうかは不明ですがw


【追記】

すみません、数日投稿できません。

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― 新着の感想 ―
[一言] (読み終わり) ……(たましいぷかぁ〜)……。 地球のドラゴンヤケになったんじゃなく、ある意味最悪の貧乏籤に取り憑かれてるのか? 聖女匿ってるのか? この先が楽しみです。
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