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#239 ドラゴンの受難 前編

「いや~どうもです」


 モニターに映るはデフォルメされたチビドラゴン。

 察するにこの惑星ヤクモのドラゴンかな?


「そうです」

「どうもヨロシクです、日下部船長さん」


 最近人間タイプのアバターのドラゴンを見ていたからこういうタイプのアバターは久しぶりである。

 ドラゴンの姿をしたのは蒼龍以来かな?


「ゆるキャラという意味では竜玉以来ですかね」


 そういやアイツ最初はゆるキャラだったかな。

 どうも萌えキャラの印象が強烈で。


「自分でデザインしたから愛着があるのですかね」


 と何故か冷ややかな目で俺を見るカグヤ。

 しかし、いま思えば竜玉は幸せな部類に入るのではなかろうか?


「またおかしなことを言いだすのですか?」

「ちなみにその心は?」


 あの姿で50年……100年に延びたのだったか?

 まあその間はあの星で固定されるのだから、女神の思惑も調整室からもほど遠いとは言えるのではないだろうか?


「それをいうなら蒼龍も50年は身の安全を保証されているわけか。そいつはうらやましい」

「ですが人類に滅ぼされる可能性に怯える毎日ですよ」


 それは調整室とどっちがマシかという話になるが。


「それは……」

「現状がマシだと思う。まだ調整室よりマシと思うと大抵のことは耐えれるかな」

「……一理ありますけど」


 あるのかよ!

 カグヤ、お前、俺のことをヒドイことをするだのドラゴンスレイヤーだのいうけど、もっとヒドイのがいるなら俺を責めるいわれはないぞ。


「ですが、船長のせいでここ2年の被害者が急増ですからね。それも船長の誘因ですからね。そもそも船長が悪いのだと言っても過言ではありません。立派なドラゴンスレイヤーです、まごうことありません!」


 俺の場合、自分から積極的に何かやっているわけではないだろう?

 単に降りかかる火の粉を払っただけで。


「できれば穏便にと思うことなのですよ」


 と言うのはヤクモのドラゴン。

 今回の被害者である。


「いや、決めつけないでくれないかな!」


 悲しいかな、俺と出会ったドラゴンの運命ってそんな感じで。

 てか平和に別れたドラゴンっていたっけ?


「強いていうなら新しいほうのジュメルでしょうか? 創造主の命で宇宙船の管理頭脳になりましたけど、その程度なら楽なもんですよ。短期間で送り届けるくらい」


 長期間、俺の世話をするのも楽なもんだろう。

 引きこもらせておけば文句も言わないのに。

 それなのに部屋から出そうとするから面倒事が起きるんだよ。


「船長、よく考えてください。何もしなくてスペースオペラにならなければ創造主が何度も来るでしょう? それでも改善されなければ私が調整室でしょう?」


 なるほどそういう危機感か。


「でもね、どんなに頑張っても創造主はやってきますし、ドラゴンネットワークでは同族にも糾弾されますし。……ねえ船長、私も辛いんですよ」


 本当に辛そうに肩を落とす。


「確かに調整室よりはマシだって思えば耐えれるんですけどね、フフフ」


 とどこか遠くをみるカグヤ。

 さすがに少しヤバそうな気がする。

 なあカグヤ、少し休んでもいいんだぞ。

 そのためのレーティアだ。

 

「船長! そんなことをしたら私の存在意義に関わります! レーティアとのコンビで何かすごいことが起きたら私クビになるじゃないですか! 船長は私を調整室送りにしたいのですか!」


 そんなことは微塵も思っていない。

 俺はお前と酒場を開く予定ではないか。

 カグヤがいないと俺は何もできないぞ。


「レーティアとだってできますよ、そんなの」


 てかどうした、今日は?

 なんかおかしくないか?


「いや最近ドラゴンネットワークも常に炎上中と言うか、ずいぶんと荒れててね」


 と説明してくれるのはヤクモのドラゴン。

 てかお前らドラゴン、本当にネットワークで何やってんだよ?


「1つでも改善を出すべきだという建設的な集まりもあるんだけど、何かにつけてカグヤが悪いっていう派閥も増えてきてね」


 そもそもは女神が悪いと思うんだが?


「それを言うだけの度胸はないさ」


 まったく根性なしだな。


「ひとつ前のラフェスルの奴だってクローンどものことは放置しようとしているのに、ネットワーク上ではドラゴン解放派を積極的に支援しろって煽られてるからな。そのうち追い込まれなきゃいいけどな」


 実際問題それは一つの手段ではあるが、その後の起こりうることを考えたら後悔するんじゃないかな、とばっちりで女神もとい魔王の護衛艦隊に誰が駆り出されることやら。

 

 ちなみにお前さんは?


「今回は日下部船長にはお世話になりましたのでご挨拶に来ただけなので。もちろんカグヤに対しても含むことも何もないのでご安心を」


 そうですか。

 てか俺お前に何かしたっけ?


「テツジンの件です。おかげで我が星域には物珍しいスペースオペラの装置が設置されましたのでしばらくは安泰かと」


 あれ、お前の実績になるんだ?


「実績にさせてくださいよ~」


 猫なで声で言わないでくれるかな?


温かい声援ありがとうございます。

とはいえ調子に乗ることなくやっていこうと思います。


251話でもやることは一緒ですw



ちなみにそろそろニーナ欠乏症になった方はおられるでしょうか?

もしもいらっしゃったらあと3話はでてきませんので耐えてください。


私も書いててこの辺りは我慢すればするほどニーナが再登場した時に喜びが増すと思ったもんですよw

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