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#158 幽霊船の財宝は呪われているか 8

「で、どうしますか?」


 もう疲れた!

 引きこもる!

 とりあえず考えたくない!

 引きこもる!

 全部後回しだ!

 とにかく引きこもる!


「船長の強い決意はわかりました。ですが一つ、お耳にいれておきたいことが」


 あんなの相手にして疲れてるので、急ぎでないなら明日にして欲しいが?

 いや明日と言わず明後日でもいいぞ。


「ポーラのことです。判断はおまかせしますが、早いほうがよいかと」


 ……そう言われると聞かざるをえないんだが。

 トラブルか?


「いえ、現在、この星でレオン・ヒイラギに結婚詐欺された女性に会いに行く模様です」


 カグヤに調べさせたレオンの顔を見て、俺の友人と似ても似つかない細マッチョのチャラいイケメンでしたホッとしたもんだ。

 よかった、友人が異世界転移してきたのではないのだと。


 それはさておき、ポーラは行くと報告してきたのか?


「いえ、白ウサギからポーラがこう言ってるけどどうしようか? とこっそりと判断を仰いできまして」


 なら俺はこの件は聞いていない。

 ポーラの好きにさせればいい。


「そうですか。……船長はポーラに甘いのか厳しいのかよくわかりません」


 どっちかというと甘いだろう。

 だからといって過保護にはしないでおこうとは思っている。


「そうなのですか?」


 なにせまともな大人が俺しかいないからな、それくらいの気を使う。


「まともな大人、ですか? レーティアを至急呼んで、その話を詳しく聞きたいところですが」


 おい、やめろ。

 通信端末から手を離せ!

 確かにお前の思うような意味では、俺はポーラが反面教師にするべきダメ人間だ。


「ですよね」


 少しはフォローしろよ。


「事実を歪曲するのは気が引けます」


 まあとりあえずその件は置いておこう。

 俺の言うところのまともな大人とは、このイザヨイの中で人間で歳上は俺しかいないという意味だ。

 お前らは管理頭脳だろう?


「なるほど、得心がいきました。もう少しでレーティアと一緒に船長のダメなところをあげて、糾弾するところでした。どこがまともかと」


 ウチの龍虎は容赦ない。

 2対1は分が悪い。


 てかレーティアはずっとイザヨイの修理にかかりきりだが、役割分担とかしないのか?

 一人で管理する方が効率がいいのか?


「効率がいいのもありますけど、イザヨイのことを知ってもらいたいというのと、船長のお世話と修理どっちがいいと聞いたら修理と即答されたもので」


 聞くんじゃなかった。


「あとやりたいことがあるようです」


 そうなのか?

 まあそれは今度本人から聞こう。


「聞かなくても語ってくれますよ」


 まあそうかな。



「で、ポーラの件ですが」


 一応レオンの件には関わるなと言っておいたからな、それでも言いつけを破って関わって傷つくなら自己責任だ。

 可愛い子には旅をさせよ、という。

 人生傷つくもの経験さ。

 苦い経験だろうがな。


「そんなもんですかね」


 正直なところレオンに絡んでいいことはない気がする。

 だが本人がこっそりと行くというのをわざわざ止めるのもどうかなと。


「まあ白ウサギが告げ口したと恨まれるか、船長がストーカーのごとく監視していると軽蔑されるかのどっちかですしね」


 後者はひどいぞ。

 俺、監視しろなんて言ってないよな?


「まあそれは冗談ですが」


 時々冗談に聞こえないのが怖い。

 まあレオンが俺の友人と似ているのはグルドニアの件だけであって、実際はそこまで似てない可能性もある。


「私も船長から全容を聞いていないので判断しづらいのです。一応この辺の星のドラゴンに情報を求めていますが、人間の色恋沙汰で警察沙汰になっていないことも多いみたいなのでどうにも情報が少ないです」


 まあ竜玉も知らなかったしな。

 人間の惚れたはれたまで把握はしまい。

 殺人事件でも起これば別だろうが、そういうタイプではあるまい、たぶん。

 むしろどこかで刺されていて、ことが終わっていてくれないかと祈るのみだ。


「そうなればそうなればでポーラは気持ちに折り合いをつけれますかね?」


 直接対決するよりはきっと簡単だと思うけどな。

 

「船長が詐欺師対決でケリをつけれませんか?」


 やつは結婚詐欺師かもしれないが俺は詐欺師ではないと何度も。


「ご謙遜を、宇宙一の詐欺師を名乗っても私は反対しません」


 そこは反対してほしいが。

 というか俺が反対する。


 それはさておき関わりたくないなぁ。


「まあそこは流れに任せましょう。ではポーラは放置ですね」


 そうしよう。

 おっさんがこれはこうだからしてはダメだと頭ごなしにいうと逆にしたがるのが若者だ。

 好きにさせればいい。

 

「まあそうですね。人間って学習しない生き物ですしね」


 まあ仕方ない。

 それに俺の持論だが、人間というものは一歩歩いて石につまづき、二歩目で溝にはまり、三歩目でどこからか野球のボールが頭めがけて飛んでくる生き物だ。


「そんな特殊な生き物は船長だけだと思いますが」


 悲しいね。

 まあ大なり小なり不幸やら苦難はどこからともなくやってくるのさ。

 特殊な経験をすれば後々あれよりましだなと思って気が楽になるものさ。


「本当に船長の人生観は特殊ですよね」


 否定できない。

 なにせスペースオペラの世界にスカウトされるほど特殊だしなぁ。



話がなかなか進みませんがご容赦を。

このシリーズは13話の予定です

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