表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

165/316

#153 幽霊船の財宝は呪われているか 3

 スパイラル突破から5日かけて惑星ガーランドに到着した。

 スパイラル自体はまだ消えていない。

 だが消えかかってる兆候があるという。


「さすがに創造主といえども観測されているスパイラルを一気に消し去るということは控えたのでしょう」


 まあいきなり消えて怪奇現象になるよりは自然に消えたほうがいいだろう。

 1年以上も長々とあったんだ、数週間は誤差だろうよ。

 まあいずれ消えてくれるのなら竜玉への約束も果たせたというもんだ。


「正直スパイラルを跳んだことより、本当に跳んだら消える展開が正しかったというのが頭を抱えたくなります」


 本当にな。

 結局俺らはお釈迦様の手の平の孫悟空状態なのだろうか。

 

「困ったもんですね」


 俺の想像だが、あの女神はこたつに入って、せんべい食べながら俺らのスパイラル突入をテレビで見てたイメージなんだが。


「否定しづらいのが悲しいところです」


 俺らの前の番組の竜玉というコメディアンに爆笑してくれているといいなぁ。


「いえ、あれがウケてもらうと我々ドラゴンはとても困ることになりそうなので、ぜひともスベっていて欲しいです」


 まあ知る術はないがな。




「ではキャプテン、行ってまいります」


 はい、気をつけて。

 スパイラルのせいで疲れただろうからゆっくりと休んでおいで。


「わかりました。あとなにか良さそうなものを物色してきます」


 まあその辺はウインドウショッピング的に気楽でいいさ、この星はそれは期待できそうにない。

 あと何かあったら連絡してくるように。

 では白ウサギも頼んだぞ。


 そういってポーラと白ウサギを見送る。

 この星はゲートが4つもあり、宇宙船の航行において休憩地点として栄えているそうだ。

 現時点でも宇宙船乗りは何人かいてグルドニアに帰り支度をしているものやバカンスを楽しんでいるものがいるらしい。

 宇宙船乗りが楽しむ施設も多いそうだから滞在にはむいているらしい。

 今回は現在イザヨイの修理で手いっぱいのレーティアを護衛に付けれないが、まあ白ウサギだけでも問題ないだろう。

 逆に多くの宇宙船がこちらに来るというので購入のほうは期待できない。

 この星の物は近隣の星では珍しくもなんともないのだろう。

 そうなるとあまりこっちもコンテンツは出さず、最低限の滞在費と修理費を稼ぐのがいいのではないだろうか。

 グルドニアで出した2惑星分にプラスして大翠とZ3-Jくらいでも多すぎだろうよ。


「そういう考えでしたら広く浅く出品しておいた方がいいと思います。いろいろ旅している宇宙船が惑星数を絞って出すといいイメージが持たれませんからね。惑星の数を増やして、コンテンツ数を厳選しましょう。それなら買えなかったから持っていないんだと言い訳できますから」


 そういやグルドニアの事務総長は1惑星ずつ出すって言ったら変な顔をしてたっけな。

 嫌がらせとしては正しかったということか。

 じゃあその辺は任すよ。




 ではイザヨイの修理状況を聞こうか。


「一応スパイラル突入は危険と警告していましたけど、イザヨイですと問題はないと想定はしていました。実際にイザヨイ内の施設については被害はありません。ただコンテナの連結部分が急旋回のせいで数か所メンテが必要です。外装のほうは……少々手間がかかるかと」


 被害が大きいのか?


「大きいというよりは多いですかね、一つひとつは大した問題ではないのですが、数が多いのです。外壁の補修、姿勢制御用の噴出口の修理、探知機の修理など少々時間がかかります」


 それは仕方ないな。

 まあ急ぐ旅でもないし慌てなくていい。

 丁寧に確実な作業を心掛けな。


「そういってもらえるのは助かります。現在レーティアにスケジュールを組んでもらっていますのであとで確認してください」


 俺が見ても理解できないだろうが、トップとしてそれくらいはしたふりをしよう。


「頼りない言い方ですが、まあ良しとしましょう。修理期間中は船長の活動範囲は特に影響はありませんが、多くのウサギが作業に出払いますので不自由があるかもしれません」


 白とピンクさえいたら俺は問題ないと思うが。


「そうはおっしゃいますが倉庫管理の緑ウサギは食糧庫の管理も兼ねていますからね、いざ食べたいものをリクエストした際に、食材を届けてくるのが遅くなれば提供も遅くなります」


 緑が食材を運ぶシステムだったのか。

 まあそれなら前もって食いたいものを伝えるさ。


「いっそ地上におりませんか?」


 おいおい、引きこもりを外に出そうなんて難しいことを言うなよ。


「この際地上のホテルで引きこもってくれてもいいので」


 ホテルは落ち着かないからな。

 慣れた実家じゃないと長く引きこもれないよ。


「難儀な性格ですね」


 心配するな、お前たちの邪魔はしない。

 食事さえ持ってきてくれるなら部屋から出ないと約束する。


「そういう約束はいりませんので少しは艦橋に顔を出してください」


 いい機会だと思ったんだが受け入れてもらえなかった。




 じゃあ最後に自動操縦に切り替わらなかった件は?


「第1艦橋と第2艦橋を同時に使うことでバグが生じたようです。本来は1つの管理頭脳がする一連の作業を2つの管理頭脳で処理させたせいでの不具合かと。修正パッチをすでに作成しました、今後は問題ありません」


 そうかい、それならいいんだが。


「何か問題でも?」


 誰かさんがレーティアを鍛えるというかトラブル適性を見るためにとか、俺にレーティアがちゃんと宇宙船の管理・運航ができることを見せるために、そういうバグの存在に気がついていたのにわざと修正しなかったのかなと。


「まあ船長。いくら創造主でもそんなことはしませんよ」


 ……まあいいけどさ。

 あっちも疑いはしたけどやはりこっちが正解だったか。

 とはいえ空々しく言うカグヤに追及したところで時間の無駄かね。

 カグヤのことだから再起動のフリで、もしも何かあったらフォローする気ではいただろうからな。



感想、誤字報告、ブックマーク、評価してくださった方ありがとうございます。


昨日がポーラ、今日がカグヤなので明日はレーティアの話になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ