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#スピンオフ 若者の海賊離れを嘆く女神様に変身できる眼帯をもらったけど、あたしにそんなのできっこない 9

 いったん宇宙船に戻り、ブロンに確認してみるとすでに6億の入金があったという。

 遅くなるとまた値が釣り上げられると思ったのかな?

 あたしはそこまでする気はないんだけど……6億ってこの星の物価から考えると大金なんですけど?



 さて冷静に考えてみよう。

 宇宙船イザヨイを追いかけれるかどうか?

 行先さえわかれば追いかけることはできるはずだ。

 おそらくイザヨイの船長は次の惑星大翠でバカンス中だろう。

 そこで追いつけなくても幸いにもここからは三つ子星まではゲートに選択肢がない。

 惑星パールまでには追い付くのではないだろうか?


 問題はワインをもらえるかどうか、である。

 まずこの星で8000万近くのものだ、同等なものを用意しないと物々交換が成り立たない。

 まあこれは元手がある。

 まず1億くらいのものを買おう。


しかし問題はそこではない。

一番の問題はあたしに交渉事は向かないということだ。

あたしが知らない人と話すのって無理なんですけど。

そんなのできるなら友達ができてるよ。


交渉の際、眼帯をつければどうか?

……うまくいくと思う? 

さっきもあんなんだったんだよ。


さて困った。

ブロン、どう思う?


「前金と成功報酬がわかれている以上、成果をあげなくても問題はないでしょう。たとえ相手が怒ったところでこの星に二度と来なければ問題ないでしょう」


 いやまあそうなんだけどね。

 地上であたしが警察に捕まったのは地上でのトラブルのせいで、宇宙にいるならば法律は関係ない。

 この星にミサイルでも撃ち込もうとするならその前にこちらも迎撃されるだろうが、個人間でのトラブルに何か国家が動くことはない。

 追いかけてまでくるほど、宇宙が身近なものでもない。


「マーロン三世はかなり世間知らずだと思われます。普通は前金をここまで出しません。出すのであれば何らかの条件を付けるはずです」


 条件?


「違約金なり、誰かを同行させるもしくは管理頭脳に首輪をつける」


 首輪?


「管理頭脳に最優先事項として登録することで契約を履行させようとする方法があります」


 へぇ。


「ですがマーロン三世は幼少時より自身は特権階級として誰からもかしずかれて育ってきました。他人が自分の言うことを聞くのは当たり前だと信じて疑っていません」


 そんな感じはした。


「ですのでこのまま持ち逃げしても気がつかないと思われます」


 まあ今回の場合大金すぎて良心の呵責が。


「できるできないはとりあえず後回しにしてはどうですか? 特に目的がある旅でもないのですから、軽い気持ちで追いかけてみて、交渉してみたらどうでしょう?」


 交渉か、できるかな?


「最悪メールという手もあります」


 ああ、そんな手が。

 ブロン、今日はどうしたの、やけにいい案をだしてくるじゃない。

 

「何か目標があった方が人間張り合いが出ます。船長のように精神が不安定な人はなおさらです」


 うるさいよ!




 さて基本方針が決まったから出航の準備をしましょう。

 まずはワイン交渉用に貴金属を1億……2億分くらい買っておこうか、その辺使わなかったら資産にもなるし。


「妥当かと」


 コンテンツは日下部さんが買ってないものを中心に買っておいて。


「そうなると数が少ないですが?」


 そうなの?


「はい、だいぶ買いまくっています。惑星ワイズとやらのコンテンツが売れまくったようです」


 そっか。


「そのワイズのコンテンツからインスピレーションを受けた作品が続々とでていますのでこの辺を中心に買っていきましょう。でもこれは船長が持ってきた三つ子星、マイタン、大翠のコンテンツの売り上げでなんとかなりそうです。食糧、水、消耗品も売り上げで買えますね」


 じゃあ4億は丸残り?


「そうですね」


 ブロン!

 資材を買いましょう!

 宇宙船をカスタマイズするわよ!

 この前なくした補助推進装置を作り直して、あと外装も変えれるわね。


「船長、興奮しているところ申し訳ないですが、全額使うのはよした方が」


 ダメなの?


「前の星のようにお金に困ることもあります。少しは金銭に代えられるものにしておきましょう」


 でも、2億分の貴金属があるでしょう?


「それは一応ワインの交渉用でしょう? 船長の交易用にもう3億分使っておいた方がよいかと」


 そんなに買うの?


「こんな大金を手にすることは珍しいですからね。まずはしばらくの路銀にすべきです。それに1億分の資材あれば十分でしょう? そもそもそんなに船には乗りません」


 でもせっかく大金を手にいれたのだから宇宙船にも使いたい。


「1億あれば十分でしょう。それに船長は交渉事が下手なのですから資産として残すこともしてください」


 そう言われると返す言葉がない。

 じゃあそんな感じで。

 とりあえず注文よろしく。

 入荷完了次第、出港よ。


「バカンスはもういいんですか?」


 料理は苦いし、変なのに絡まれるし、警察に捕まるし、入院させられそうになるし、ろくなことないからもうこの星に降りない。


「そうですか、ただいっそのこと入院はしてもらったほうがいいのではと思います。カウンセリングはやはり必要です」


 うるさいっていうの!



 それはさておき、あの人6億もポンと出せるんだよね?

 それなら日下部さんがオークションに出したものを金に飽かして買えばよかったのでは?


「犯罪者のくせに上から傲慢に交渉することが予想されたのでオークションの落札者と首相、警察庁長官は早々に飲んだそうです。それも後から嘘だと言われないために生配信で」


 ねえ、あの人どれだけ嫌われてるの?

 それなのに私を逮捕するくらいの忖度ってどういう意味かな?


「金の力は絶大ということと、厄介者を余所者に押し付けたと予想します」


 ふざけんなぁ!



今回でスピンオフ終了。

明日から本編に戻りましす。


スピンオフの続きはと言いますと評判次第になりますが、とりあえずストックがありませんので暇なときに書くことになりますが、その暇が欲しい。

ヨミ博士との邂逅は書きたいところなんですが。

ギャルゲ風に言うとレーティアTrue End達成の条件に

①海賊イベント全制覇

②〇〇へ到達

があったりしますが、まあ別の話です。

そこまで書けると言いなと思いつつ、とりあえず本編に戻ります。


活動報告にも書いていますが明日から5話日常編&次のシナリオのプロローグとなります。

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― 新着の感想 ―
うーん、マーロンをひっぱりすぎてヘイトだけ貯めてるから、せっかくの海賊少女の扱いだけが酷いだけで可哀そうでこの話いる?ってなる。惑星封鎖で干上がらせるとか報いが無いのもやる
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