表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/316

#11 宇宙船イザヨイ(改装開始)

今回の話、よく考えたら昨日の話とまとめるべきでした。



「さてっと、大改装になるからしばらく待機かな」


 残りのコーヒーを一気に飲み、腕をあげ背筋を伸ばす。

 寝起きになかなか頭使ったもんだ。

 いやピンクウサギ、コーヒーのおかわりはもういいよ。


「飛ぶだけなら60時間後にはできるようになりますが」

「そんなこと言われてもイマイチ基準がわからんのだが250メートルの改装でその時間って早すぎではないのか?」


 カグヤの話だとこの場でしかできない改装はそのくらいで終わるそうだ。

 コンテナに余裕ができたので資材を詰め込み、予定より増えた生産プラントで航行中に仕上げるのだとか。


 ちなみに現在俺たちがいるのは惑星ワイズの大国があった場所。

 戦争時に敵国に発見されて攻撃されないようにと隠されて作った兵器工場。

 狙い通り敵国には発見されなかったが国は、いや星そのものが滅び、ドラゴンに使われることになるなど思いもしなかったことだろう。


 カグヤは数年前から女神に今回の計画を言われ、兵器工場を改装し、様々なシチュエーションを想定して準備を進めていた。

 30m、35m、40mどのタイプで何基使ってもいいようにコンテナを製造し内装や装置は外で製造しておき、大きさが決まったら運び込む予定だった。

 どこの星の人間が来るのかは聞かされていればその星の食糧を生産していたことだろう。

 コンテナのサイズと数による内装のシミュレートを幾通りもしており、最適な搬入設営プログラムも用意していた。


「こんなに規格外の人が来るとは予想外です」


 規格外って……。


「そんなこと言われても、女神様に言ってくれるかな? 俺だってここに望んで来たわけではないんだぞ。そもそも数年前からの計画ってその頃から俺の死ぬのを待たれてたのか?」

「知りません、それこそ創造主に聞いてください」


 そんなに頬を膨らませて怒らなくても。


 それはさておき現状はすでに作られていた40m級のコンテナ4基を連結し、外装増築中。

 それと並行してすでに用意されていた生産プラントに入れる設備を搬入中だ。

 こちらが稼働状態になれば外装・内装が同時に改装される。

 資材を搬入し、入念な最終チェックが完了まで余裕を見て60時間だそうだが。


 今更だが時間の単位って日本時間に合わせてくれてるの?

 いまは俺が死んだ翌日の午前10時。

 

 了解です。



「サブユニットはその時点で稼働できるのか?」

「いえ、設備自体は予備がありますので搬入しますが、組み立て・稼働は航行中にと考えています」

「仮にここで稼働できる状態にするのは何時間かかる? 居住区は後回しでもいいから操船のみで」

「外装終了後に外の設備を使えますし、効果的にスケジュールを立て直しますと……プラス40時間ほどでしょうか」


 合計100時間、4日と少しならそこまでやってしまおう。


「いいのですか?」

「別に急ぐ用事もないし、安全安心な船旅がしたいからな」


 生前、安全は何よりも優先されるという建前を聞いてきた。

 建前だ、だって事故が起きるまで危険箇所がわかっていても予算がないからと対策してくれないのだから。

 酷いときは事故が起きても形だけの対応。

 クズノミヤの蔑称たる所以の一つである。


 さて今回予算の心配は無さそうだから安全面に配慮した万全な状態で旅立ちたいな。


「船の性能向上を優先してくださるのはこちらとしてはとてもありがたいのですが、あなた自身のことも、わがままも少しは言ってもらわないとこっちが不安になるということも覚えておいてください」


 了解です。


 とりあえずこれで当面の方針は決定だな。

 じゃあ部屋に戻ってパソコンいじらせてもらうわ。


 ……パソコンは規格が違うのでモニターとマウスとキーボードは同じだが中身は自律思考型管理頭脳が制御しており、似た様な感じで使えるようにしているし、分からないことがあったら口頭でいえばやってくれる。

 なるほど、期せずしてあの旧式が最新式になったのか。


 問題はHDDの中身と地球のネットにアクセスさえできればいいんだから別のモニターやマウスが新品になってても問題はなかったがねぇ。


「まあとりあえず部屋に戻るよ。なんかあったら連絡ちょうだい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ