パンライダーからの招待状
ーパンライダーサイトって知ってる?
ー知ってるってかただのバカの集まりでしょあそこ
ーハッカーサイトで実際やったないようなことを自慢げに自分語りする場
ーワシも書きました
ーでも本当っぽいことも書いてある気がする助
ー結局本当かどうかわからない…風評被害振りまく屑サイト
ー潰れて欲しいと思う反面面白くはある
ー結局のところどうでもいいよのう
「まあ、深く関わってない連中の書き込みは面白いなぁ。ヌハハハ」
白神黒兎はパソコンの前で特段楽しそうではない笑いを漏らす。
ごくごく一般家庭のごく一般的な男子高校生の一室。中途半端に散らかった床に埃のかぶったテレビ。ペットボトルが積まれた机。
ただ一つおかしな点は高校生の俺が持っているには少しの手に余るような高性能なコンピューターが幾つも並んでいるところだ
「さぁーってっと。今日のライダーサイトの申し出は…あった」
開いている一つのサイト。ネットの書き込みにあったパンライダーサイトだ。
表立っては自分だけが知っている情報を得意満面に披露するだけのサイトだが、ごく一部の人が持つパスによって入れる、イントラネットのようなページがある。
そのページこそ表の虚偽を交えた自分語りとは違う、ハッカー達が集まる情報サイトだった。
さらにはそのページでとあることが行われている。
「こいつは…前に返り討ちにして完膚なきまでにフルボッコちゃんにしたやつじゃないか。こいつ情報戦はへっぽこだからなぁ…パス」
とあること。それはハッカーバトルと呼ばれるはた迷惑な遊びだ。
自分はより優秀なハッカーと自己顕示欲丸出しな輩がわざと攻撃する企業やしでかすことを書き込んで仲間を増やしたり敵を作ったりするものすっごいはた迷惑な行為。
俺だってそのバトルに結構な頻度で参加するのだが、むしろしでかす輩の妨害を主とするヴァンダル寄りのホワイトハットだ。悪者じゃない。
「ヴァイルイーター君のオートでポシャるやつだし、今回もそれでいいや。あーあ。最近骨のあるやついないなぁ…ん?」
ふと目をやると新着のファイル。メールサーバにではなくサイトそのものに送られたものだ。
「何だ? パンライダーサイトの裏の登録者が100人を超えた? へぇまだ100人なんだ。それについて、添付したプログラムを解いたものにイベントを配布するだぁ? なめとんのかこいつって、あぁ!」
やる気も起きず何となく添付ファイルを開こうとしたけど、何でか勝手にヴァイルイーター君がプログラムを喰ってやがる!
「オイオイオイ待て待て! なにやってんのヴァイルイーター君!? 何で勝手にあぁ〜…完全に消去しちまったよ…まあいいか。ヴァイルイーター君がウィルスだって検知したんだから消してよかったんだ。晩飯食いに行こう」
イベントはちょっと気になったけど、ウィルスなら別に気にすることもないか。
黒兎は特に気にもせず部屋を出て行った。
登録名『リベンジャーバックファイア』様。おめでとうございます。プログラムを解かれたアナタにイベントの参加を認めます
陣営『ホワイトハット』
分類『ファイア』
パンライダースキル『リベンジャー・バックファイア』
たった今よりアナタをパンライダーアバターゲームに招待します