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「ああ。君の住所だね。ありがとう」
「……こちらこそ」
お互い何も言わずに、ただ歩いた。旅館までの道のりが、とても遠く感じられる。
そうして、デイビッドが部屋の鍵を後ろ手に締めた音で、もう逃れられないのだと気づく。
「……後悔しない?」
「……ええ」
デイビッドは私に歩みより、畳の上に寝かせた。ただ、腕を絡ませて口づけを繰り返す。彼の唇は私を貪るように、頬から首元、そして下へ、下へと汗ばむ肌をなぞっていく。少しずつあらわになるお互いの身体に、どこか羞恥心を感じる。
そんな私の耳元で、「力を抜いて、ナツキ……」と、半ば息を漏らすように彼は囁いた。




