表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/13

第9話:はじめてのお遊戯会! 勇者、ドレスを着て「守られ役」になる

保育園のビッグイベント、お遊戯会。

演目は名作『しらゆき姫』。誰もがレオは王子様役だと思っていた。

しかし、配役を決めるクジ引きで、運命の女神(あるいは魔王の呪い)は残酷な結末を用意していた。

勇者レオ、まさかの「お姫様」役に決定!?

「……嘘だろ」

保育園のホール。俺、レオは、鏡に映った自分の姿を見て絶句していた。

そこには、フリフリの白いドレスを纏い、頭に真っ赤なリボンをつけた「美少女(1歳)」が立っていた。

(……俺は勇者だぞ。数多のドラゴンを屠り、魔王の心臓を貫いたこの俺が、なぜ毒リンゴを食べて寝ていなければならないんだ!)

ことの始まりは、配役のクジ引きだった。

王子様役を巡って5つ子たちがガチの「念話バトル」を繰り広げ、園内の空気が歪んだ影響か、確率の神様がバグを起こしたのだ。

その結果。

お姫様:レオ

王子様:乃二(聖騎士)

鏡の精:一華(賢者)

狩人:忍三(暗殺者)

小人:輪四(格闘家)

毒リンゴを売る老婆:結五(聖女)

(……配役がガチすぎるんだよ! 特に結五、お前が売るリンゴはたぶん即死毒(特製)だろ!)

観客席の最前列には、ビデオカメラを三脚に固定し、鼻血を流さんばかりの勢いで身を乗り出す真央パパ(魔王)がいた。

奴の頭上のウィンドウにはこうある。

【状態】:尊死寸前

【企み】:レオくんの女装姿を4K画質で保存し、将来のゆすりネタ(という名の家宝)にする。

(……あの魔王、後で絶対にステータス異常『物理的制裁』を叩き込んでやる)

劇が始まった。

一華(賢者)が鏡の精として「世界で一番美しいのはレオ様です」と、台本を無視して様付けで呼び、

忍三(暗殺者)が狩人として、逃げる俺を「……確保」とガチの捕縛術で追いかけ回し、

輪四(格闘家)が小人として、倒れている俺の周りで「バブー!(特訓の時間だ!)」とスクワットを始める。

そしてクライマックス。

俺が毒リンゴ(という名の赤いボール)を口にし、舞台中央で横たわるシーン。

台本では、王子様がやってきてキス……のふりをして起こすはずだ。

だが、ここで予定外の事態が起きた。

王子様役の乃二だけでなく、鏡も狩人も小人も、さらにはリンゴを売った老婆までが、「救出キス」の権利を主張して俺に殺到したのだ!

一華:『論理的に考えて、鏡の精が真実の愛で起こすべきよ!』

忍三:『……蘇生(人工呼吸)が必要』

結五:『私が聖女の祈りで治してあげますぅ!』

5つ子たちが、舞台上で俺の唇を巡って「乱闘じゃれあい」を開始。

「バブー!」「ウギャー!」とカオスになる舞台。

その時、客席から「やめろぉぉぉ!!」と叫びながら真央パパが乱入してきた。

「俺のレオくんに……いや、俺の娘たちに変なことをするなぁぁ! レオくん、今パパが助けて……ああっ! ドレス姿が可愛すぎて直視できな……ブフッ(鼻血)」

パパは自爆するように舞台袖で倒れ、劇は強制終了となった。

俺はドレスの裾を捲り上げながら、立ち上がった。

(……やれやれ。お姫様役も楽じゃないな)

ウィンドウが更新される。

[称号『伝説の女装勇者』を獲得。ヒロイン全員の独占欲が10%上昇しました]

俺は、鼻血を出して倒れている魔王と、まだ誰が俺を起こすかで揉めている5つ子たちを見ながら、深く溜息をついた。

次のお遊戯会は、絶対に「ただの岩」役を希望しようと心に誓いながら。

第9話、お読みいただきありがとうございました!

勇者レオ、まさかのヒロイン化。ドレス姿のレオに、5つ子も魔王も完全にノックアウトでした。

さて、物語はいよいよ大きな節目へ!

次回、第10話は、ついに訪れる**「最初の正体バレ」**の回です!

5つ子の中で、誰が一番最初にレオに「自分たちが仲間であること」を明かしてしまうのか?

そしてレオはどう反応するのか!?

物語の第1部完結、お見逃しなく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ