第37話:異世界の危機!? 復活した「真・魔王(偽)」と、本物の魔王(パパ)のブチギレ対談
ハネムーン(という名の家族旅行)の最中、世界を揺るがす緊急ニュースが飛び込んできた。
「旧魔王軍の正統後継者」を自称する謎の集団が、王都を占拠。
彼らは500年前の「恐怖の統治」を復活させると宣言し、街を破壊し始める。
だが、彼らは知らなかった。
自分たちが憧れる「伝説の魔王」が、今は娘たちの前でデレデレの鼻の下を伸ばし、ギルドランクEで燻っている「真央部長」であることを。
「俺の看板を勝手に使って、世界を汚す不届き者は……どこのどいつだ?」
ついに、パパの逆鱗が触れる!
「聞け、愚かな人間どもよ! 我こそは真の魔王の再来、カオス・デス・シュバルツなり!」
王都の中央広場。禍々しい鎧に身を包んだ男が、拡声用の魔法で叫んでいた。
背後には、無理やり魔導改造された哀れなモンスターたちが並んでいる。
その光景を、温泉上がりの浴衣姿で「マオ・クイーン号」のデッキから見下ろす一家。
パパ:『……田中。あいつ、今自分の名前をなんて言った?』
田中さん:『……カオス・デス・シュバルツ、だそうです。部長が昔使っていた「漆黒の破壊神」よりは、少しセンスが現代的ですね』
パパ:『……名前はどうでもいい。問題は、あいつが掲げている旗だ。……あれは、俺が500年前にデザインした「魔王軍公式ロゴ(魔王と愛娘たちのシルエット入り)」じゃないか! 肖像権の侵害だ!』
(……パパ、怒るポイントそこかよ!)
一華(賢者):『レオ、あの中二病集団の魔力構成を解析したわ。……ゴミね。ただの古代兵器の無断使用よ。私たちが動くまでもないけれど……』
乃二(聖騎士):『パパが今、すごい顔して着替えてるわよ。……あ、あれは前世の正装(魔王の鎧)!』
パパは、サイズが少しきつくなった(日本で美味しいものを食べすぎた)漆黒の鎧を無理やり身に纏い、単身で広場へと飛び降りた。
偽魔王:『何だお前は? 漆黒のコスプレか? 我が威圧感の前にひれ伏……』
パパ:『……黙れ、三下。魔王の「威圧感」とは、こうやるものだ』
パパが指先をパチンと鳴らした瞬間、空が割れ、王都全体が物理的な重圧に包まれた。
ギルドランクE? 関係ない。これは数値化できない「格」の違いだ。
パパ:『いいか、よく聞け。真の魔王はな……世界を滅ぼす暇なんてないんだ。娘たちの進路を悩み、婿の浮気に目を光らせ、田中との飲み会で愚痴をこぼす……それが本当の「覇王」の忙しさだ! 貴様のような独身(決めつけ)に、魔王を名乗る資格などない!』
偽魔王:『……は? 娘? 婿……? 何を言って……ぎゃああああ!』
パパが放った「説教(物理)」という名の暗黒極大魔法により、偽魔王軍は一瞬で塵へと消え(全員気絶)、王都に平和が戻った。
ウィンドウが更新される。
[クエスト:偽魔王の討伐、完了]
[結果:パパの威厳が一時的に回復。しかし、鎧の腹部が弾けて修理費が発生]
[レオの感想:パパ、かっこいいけど……最後はやっぱりパパだったな]
パパは、弾けた鎧を隠しながら「……レオくん、今の動画撮ったか? 娘たちに見せてやってくれ!」と、結局いつものパパに戻っていた。
勇者レオ。
世界を救うのは、伝説の勇者ではなく、ブチギレた「お義父さん」のほうが早い場合もあるのだと、改めて実感した。
第37話、お読みいただきありがとうございました!
偽魔王、パパの「家族愛混じりの正論」に完敗です。
魔王としての強さは健在ですが、そのモチベーションが全て「家族」に向かっているのが今のパパの恐ろしいところですね。




