第26話:中学生編・完結! 勇者レオ、ついに魔王(パパ)とサシで勝負!?
「レオくん、放課後、理事長室へ来い」
パパから届いた、一通の呼び出し状。そこには魔法的な封印すら施されていた。
五つ子たちが心配して駆けつけようとするが、レオはそれを制する。
これは、前世からの因縁に決着をつけ、今世での「家族」としての関係を築くための避けては通れない戦い。
豪華な革張りのソファに座る魔王。その瞳には、かつて世界を恐怖させた鋭い光が戻っていた――。
重厚な理事長室の扉が閉まる。
部屋には俺と、真央パパの二人きりだ。
パパ:『……レオくん。いや、勇者レオよ。……よく来たな』
パパはいつものアロハシャツではなく、仕立ての良い漆黒のスーツを着こなしていた。
机の上には、一見するとただの高級な万年筆だが、俺の『真実の眼』には、それが前世の魔王の杖が形を変えた「魔導触媒」だと分かった。
(……本気だな、パパ。遊びのストーキングじゃない……これは『男の対談』だ)
パパ:『娘たちは、日に日に美しく、強くなっていく。……そして、お前のことばかりを見ている。……正直に言おう。俺は、それがたまらなく寂しいのだ』
パパの周囲に、黒い魔力の霧が立ち込める。
パパ:『前世では世界を奪い合った。だが今世では、俺はただ「娘たち」の笑顔を守りたいだけなのだ。……レオ、貴様にその覚悟はあるか? 5人を、一生背負っていく覚悟が!』
俺はパパの威圧感を真っ向から受け止め、一歩踏み出した。
レオ:『……覚悟なら、赤ん坊の時から決めてる。……前世で倒した相手の娘を、今世で泣かせるような真似は、勇者の名に懸けてしない。……5人全員、俺が守る。あんたからも、世界からもだ』
パパ:『……ふん、口だけは達者だな。ならば、証明してみせろ!』
パパが万年筆を振るった瞬間、俺たちの周囲の景色が一変した。
[特殊フィールド展開:精神世界]
そこは、14年前に俺たちが相打ちになった、あの滅びの城の頂上だった。
パパは魔王の姿に、俺は勇者の姿に戻っていた。
パパ:『一撃だ! この一撃を受け切ってみせろ!』
パパの手から放たれたのは、暗黒破壊魔法。……ではなく、「5人の娘たちの思い出」が詰まった巨大な魔力の塊だった。
初めて歩いた日のこと、お遊戯会でのドレス姿、テストで満点を取った時の笑顔。
その膨大な「父の愛」が、物理的な重圧となって俺を襲う!
俺は聖剣を抜かず、両手でその塊を受け止めた。
重い。だが、温かい。
レオ:『……受け取った。あんたがどれだけ彼女たちを愛してるか、痛いほど分かったよ……お義父さん(パパ)!』
パパ:『お、お、おぎふ……!?』
「お義父さん」という言葉のクリティカルヒットにより、精神世界が砕け散った。
気づけば、俺たちは元の理事長室に戻っていた。
パパは机に突っ伏して、「……今、お義父さんって言ったか? レオくん、今パパって言ったよな……?」とブツブツ呟きながら号泣していた。
田中さん(扉の外):『……部長、また負けましたね。精神的な意味で』
そこに扉を蹴破って、心配した五つ子たちが乱入してきた。
乃二:『レオ! 無事!? パパ、あんた何したのよ!』
一華:『……あら、パパが泣いてるわ。レオ、まさかパパにプロポーズしたの?』
(……一華、お前の冗談はたまにシャレにならないからやめろ)
結五がパパの肩を優しく叩き、レオが差し出した手をパパが弱々しく握り返す。
こうして、勇者と魔王の「真の和解」は、カオスな涙の中で幕を閉じた。
ウィンドウが更新される。
[第3部:中学生編、クリア]
[称号:魔王公認の『息子(仮)』にランクアップしました]
俺は、五人に腕を引かれながら理事長室を後にした。
夕日に染まる校舎を見つめながら、俺は確信した。
高校生になっても、大学生になっても、この騒がしい日常は続いていくのだと。
勇者レオ。
二度目の人生は、かつての敵と家族になり、かつての仲間と恋をする、最高に難解で最高のクエストだ。
【第3部・完】
第3部「中学生編」、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
ついにパパからも「お義父さん(自爆)」という形で認められ、レオの立場も強固なものになりました。
さて、物語はここから、ついに最終章へ向かいます。
第4部「高校・青春爆発編〜恋の五等分はもうできない!?〜」
ついに「誰か一人」を選ぶ時が来るのか? それとも勇者は「伝説のハーレムエンド」を達成するのか!?




