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『勇者、再び。〜隣の五つ子が前世のパーティメンバーで、父親が宿敵の魔王だった件について〜』  作者: Zacku


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18/40

第18話:秋の運動会! 走れ勇者、パパの仕掛けた「地雷」を飛び越えて

青空の下、万国旗がなびく小学校。

今日は待ちに待った運動会。

しかし、校庭の砂の下には、PTA会長(魔王)が昨夜、田中さんと共に埋設した「対勇者用・鈍足トラップ」が隠されていた。

「レオくん、1位は譲らんぞ(娘の前で格好つけさせんぞ)!」

パパの妨害を、勇者はその超身体能力でどう切り抜けるのか!?

「いよいよ、1年生男子の徒競走が始まります!」

放送委員の声が響く。

スタートラインに立つ俺、レオは、足の裏に伝わるかすかな「魔力の振動」を感じ取っていた。

(……ほう。スタートから3メートル地点に『鈍足スロウ』の魔法陣、5メートル地点には『バナナの皮(物理)』か。魔王、相変わらず手が込んでるな)

客席の最前列。PTA会長の腕章を巻いた真央パパ(魔王)が、怪しいスイッチを握りしめ、不敵な笑みを浮かべている。

パパ:『……ククク。レオくん、その位置は「田中特製・踏むと煙が出る落とし穴」の真上だ。1位になろうなどと、100年早い!』

一方、応援席の5つ子たちは、手作りのレオ専用うちわ(魔力強化済み)を振って叫んでいた。

乃二(聖騎士):『レオ! 1位にならなかったら、晩ごはん抜きだからね! 走りなさい!』

輪四(格闘家):『レオ、左から3番目のコースは「地雷」が多いから、2番目へスイッチだよ!』

一華(賢者):『……無駄よ。私がパパのスイッチの配線を、昨日のうちに「爆音のファンファーレ」に書き換えておいたから』

(……一華、お前が一番おそろしいわ)

「位置について、よーい……ドン!」

ピストルの音と同時に、俺は飛び出した。

パパが狂ったようにスイッチを連打するが、魔法陣は発動せず、代わりに放送スピーカーから「レオくん、世界一! レオくん、優勝!」という一華自作の応援ソングが大音量で流れ始めた。

パパ:『なっ!? なぜだ、なぜ発動せん! 田中! 田中ぁぁぁ!!』

田中さん:『……部長、お嬢様が怖くて、配線図を渡してしまいました……(涙)』

俺は第2コーナーへ。

そこには、輪四(格闘家)のアドバイス通り、不自然に盛り土がされた「落とし穴」があった。

俺は前世のスキル**『空中歩行(エア歩行)』を1ミリ秒だけ発動。

地面を蹴るフリをして、罠の上を浮遊して通り過ぎる。

(……魔王。穴が浅いぞ。もっと本気で掘れ)

ゴール手前。最後の難関は、パパが「風紀委員」として立ちはだかる物理的ブロックだ。

パパ:『待てぇぇレオくん! ゼッケンが1ミリ傾いている! 直してやるから止まれ!』

パパが俺を捕まえようと飛びかかってくるが、それを阻止したのは、ゴール地点で待機していた結五(聖女)の「聖なる微笑み(スタン)」だった。

結五:『パパ、危ないですよぉ……♪』

その瞬間、パパは娘のあまりの神々しさに直立不動(石化)となり、俺はその横を疾風のごとく駆け抜けた。

「ゴール!! 1位、レオくん!」

ウィンドウが更新される。

[クエスト:運動会・徒競走、完全制覇]

[報酬:金メダル(プラスチック製)。パパ、校長先生に「運営妨害」で呼び出し確定]

放課後。俺の首には、5つ子たちから贈られた「手作りの特大メダル」が5つも掛けられていた。

重すぎて肩が凝るが、悪くない気分だ。

パパは校長室から「すみませんでしたぁぁ!」という叫び声を上げながら出てきたが、俺が5つ子たちに囲まれて記念撮影をしているのを見て、再び「レオぉぉぉ!!」と血涙を流していた。

勇者レオ。

運動会は、魔王の妨害を「回避」する、最高のレベルアップ・ダンジョンだった。

第18話、お読みいただきありがとうございました!

運動会、パパの仕掛けた地雷(煙玉)を一華が応援ソングに変えるという、娘たちの盤石なサポート。

パパ、PTA会長という立場を使いすぎて、ついに校長先生の逆鱗に触れてしまいました。

さて、次回は第19話!

「秋の遠足! 山登りの頂上で、魔王パパが遭難!?」

5つ子との楽しいお弁当タイム。しかし、パパは一人、レオを驚かせるために「崖から吊り下がる」という暴挙に出て……。

次回もお楽しみに!

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