第14話:勇者裁判! ピンクの封筒と五つの殺気
平和な小学校生活に激震が走る。
レオの下駄箱に入れられていた、ピンク色の封筒。
それは、クラスの女子からの「果たし状(という名のラブレター)」だった!
「レオは私たちのリーダーでしょ?」
笑顔の裏で静かにキレる五つ子たち。そして、その手紙を検閲しようと物陰から狙うPTA会長。
放課後の校舎裏、勇者の貞操(?)をかけた裁判が始まる!
放課後。俺が下駄箱を開けると、一通の封筒がハラリと落ちた。
そこにはハートのシール。宛名は『レオくんへ』。
(……ほう。これが現代日本の文化、ラブレターか。異世界では「決闘の申し込み」か「呪いの書状」くらいしかなかったが……)
俺が手紙を拾い上げた瞬間、背後の空気がマイナス30度まで急降下した。
一華(賢者):『……あらレオ。それ、算数のプリントじゃないわよね?』
乃二(聖騎士):『ちょっと見せなさいよ。不審な魔力(愛)がこもってないか、私が検閲してあげるわ!』
いつの間にか、5つ子が俺を包囲していた。
俺は『真実の眼』を周囲に走らせる。
真央 忍三(暗殺者):【状態】隠密・抜刀寸前
真央 輪四(格闘家):【状態】戦闘態勢(いつでも手紙を奪取可能)
真央 結五(聖女):【状態】慈愛の微笑み(※目が笑っていないため危険度S)
「……バブ(いや、これはその……)」
思わず赤ん坊時代の癖が出るほど、俺は冷や汗をかいた。
その時、校門の影から望遠鏡を覗いていた真央パパ(魔王)が、無線機(田中さん直通)に怒鳴り散らした。
パパ:『田中! 緊急事態だ! レオくんに「外敵」からの接触があった! 直ちにラブレターの主を特定し、その子の親をPTAの会合に呼び出せ! 内容は「廊下の走り方」についてだ!』
田中さん:『……部長、それただの八つ当たりです。あと、公私混同すぎて給料減らされますよ……』
裁判の舞台は、放課後の校舎裏へと移った。
俺は切り株の上に座らされ、5人が俺を取り囲む。
一華:『さて、被告人レオ。差出人は誰? 筆跡からして、3組の佐々木さんね。彼女、先週の体育でレオに助けられたのを根に持ってる(惚れてる)わ』
忍三:『……レオ、浮気……? 消去……すべき?』
忍三がどこからか取り出した「掃除用具のホウキ(前世の暗殺鎌に見える)」を構える。
俺は覚悟を決めて、手紙を開いた。
中身は――『レオくんへ。こんどのこうえんのそうじ、いっしょにやろうね。レオくんは力がつよいから、たよりにしてるよ』。
(……ただの掃除当番の相談じゃないか!)
俺が手紙を見せると、5人の殺気が一瞬で霧散した。
乃二は「な、なんだ、ただのボランティアじゃない」と顔を赤くし、結五は「ふふっ、レオ様はやっぱり頼りになりますねぇ」とおっとりモードに戻る。
だが、一華だけはニヤリと笑った。
一華:『……でも、「頼りにしてる」は、恋の始まりの定石よ? レオ、その日は私たちが「護衛」として全員ついていくから。いいわね?』
パパも物陰から「そうだ! 俺もゴミ拾いのボランティア(重機持ち込み)として参加するぞ!」と叫び声を上げていた。
ウィンドウが更新される。
[クエスト:ラブレター疑惑、鎮圧成功]
[報酬:勇者の平穏な日々(継続)。ただし、5つ子の監視レベルが『S』に昇格しました]
俺は、一通の手紙でここまで大騒ぎになる自分の環境を呪いつつも、彼女たちの過保護な愛に、少しだけ苦笑いした。
第14話、お読みいただきありがとうございました!
ただの「掃除のお誘い」が、勇者パーティにかかれば国家存亡の危機レベルの裁判に。
レオくん、モテるのも楽ではありません。
さて、次回は第15話!
「地獄のゴミ拾い! 重機を持って参戦する魔王パパ」
佐々木さんとの掃除当日。
そこに現れたのは、ボランティアの枠を超えた「魔王軍(パパと部下たち)」だった!?
次回もお楽しみに!




