第11話:ランドセルは最強の防具!小学校ダンジョンの門出
勇者と5つ子たちが正体を明かし合い、固い絆を共有してから数年。
ついに彼らは、義務教育という名の「新たなダンジョン」へと足を踏み入れます。
ランドセルを背負った最強パーティの前に立ちはだかるのは、PTA会長に就任し、権力を手にしたあの男……!
桜舞い散る4月。
俺、レオは、ピカピカの1年生として小学校の門をくぐった。
背中には、母ちゃんが奮発してくれた黒いランドセル。
(……ふむ、このランドセル、なかなかの防御力だ。背後からの不意打ち(忍三の奇襲)にも耐えられるだろう)
俺の隣には、それぞれ赤、青、黄色、緑、桃色のランドセルを背負った「真央家の5つ子」が並んでいる。
成長した彼女たちは、もはや見た目も「5等分」の面影がある美少女軍団だ。
一華(賢者):『レオ、緊張してる? 心拍数が0.5%上昇してるわよ』
乃二(聖騎士):『当然でしょ。ここからは「保育園」みたいな遊び場じゃない、弱肉強食の学校生活なんだから!』
忍三(暗殺者):『……レオの隣の席、私が確保した。……図工室の鍵も、もう預けた』
輪四(格闘家):『よーし! 中休みは屋上で組手だね!』
結五(聖女):『皆さん、あんまりレオ様を困らせちゃダメですよぅ』
彼女たちの念話は、小学生になっても健在。というか、語彙力が増してさらに鋭くなっている。
校門の前では、保護者たちが記念撮影をしていた。
そこで一際、異様なオーラを放つ集団がいた。
黒塗りの高級車。その前に並ぶ、ビシッとスーツを着こなした屈強な男たち(田中さん含む魔王軍社員一同)。
そして、中央に立つのは、特注の「PTA会長」という腕章を巻いた、真央パパ(魔王)だ。
パパ:『……ガハハハ! 今日からこの小学校は、俺が支配する! 娘たちの通う学び舎に、不審者一匹、そして「レオ」という名の害虫を一匹たりとも通さんぞ!』
(……魔王。お前、ついに権力(PTA)を掌握したのか。というか、俺を害虫扱いするな)
パパは校門の横で、登校してくる全児童を「魔王の眼(検温)」でスキャンし、レオが娘たちの半径2メートル以内に近づくたびに、腕章を光らせて威嚇してくる。
パパ:『田中! 1年1組の座席表を書き換えろ! レオくんの席は、5つ子から最も遠い「廊下側の窓際」……いや、いっそ給食室に隔離だ!』
田中さん:『……部長、それは教育委員会に消されますって……』
俺たちはそんなパパをスルーして、体育館での入学式に向かった。
式典の最中、PTA会長として壇上に上がったパパは、マイクを握りしめ、全校生徒を震え上がらせる演説を始めた。
パパ:『……新入生の諸君。おめでとう。君たちには、無限の可能性がある。だが覚えておけ。真央家の5人に手を出す者は、この俺が、社会的にも魔術的(物理的)にも、塵一つ残さず消し去るということを!』
(……もはやお祝いの言葉じゃねえよ!)
勇者レオ。小学校生活、初日。
目の前には、相変わらず騒がしい最強パーティと、権力を私物化する親バカ魔王。
俺はウィンドウを確認した。
[新クエスト:小学校という名の聖域を攻略せよ]
[追加条件:魔王パパのPTA権限を回避しつつ、5つ子との『放課後デート』を成功させる]
「……バブ(面白くなってきやがった)」
思わず赤ん坊時代の口癖が出た俺に、一華がクスクスと笑いながら手を繋いできた。
勇者の二度目の人生、第2章。
ランドセルを武器に変えて、伝説が再び動き出す!
第11話、お読みいただきありがとうございました!
ついに小学生編突入です。5つ子たちも少し大人(?)になり、レオへのアピールも積極的になっていきます。
そしてPTA会長となった魔王パパ。学校という公的な場所で、どこまで暴走できるのか……。
次回、第12話*「給食の時間は戦場!? 余ったプリンを巡る聖戦」
勇者の交渉術と、5つ子の食欲が激突!
次回もお楽しみに!




