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第10話:もう隠せない!夕暮れの砂場と、勇者の証明

お遊戯会という名の乱戦を終えた日の夕暮れ。

静かな公園の砂場で、レオは一人、夕日に向かって黄昏れていました。

しかし、そこに現れたのは一人の少女。

積み重なった「前世の絆」が、ついに言葉となって溢れ出します。

第1部完結――「再会」の鐘が鳴り響く!

お遊戯会の喧騒が去り、俺は公園の砂場で一人、ドレス姿のまま(母ちゃんが着替えを忘れた)座っていた。

(……女装したまま夕日を眺める勇者。前世の俺が見たら、どんな顔をするだろうな)

ふと、背後に気配を感じた。

現れたのは、四女の輪四(格闘家)だった。彼女はいつも元気いっぱいだが、今は珍しく神妙な顔をして、俺の隣に座った。

彼女はしばらく黙って砂をいじっていたが、やがて俺の目を見つめて、念話ではない「言葉」を紡ごうとした。

まだ1歳の赤ん坊には、複雑な発音は無理だ。だが、彼女の瞳には明確な意思が宿っていた。

「……れ、……れおん……」

俺の心臓が跳ね上がる。

「れお……は……る……と!」

それは、今世の名前ではない。前世で、共に死線を潜り抜けた仲間だけが呼ぶ、俺の真の名だった。

輪四(格闘家):『……もう、我慢できない! 隠し事なんて、私らしくないもん!』

彼女の「念話」が、これまでになく鮮明に、俺の脳内に直接叩き込まれた。

輪四:『レオ! 私だよ、四葉よつばだよ! 前世でお前の背中を守ってた、格闘家の四葉だよ! 1歳になってもおむつ履いてても、あんたのその「不器用な正義感」を見れば、すぐに分かったんだから!』

(……四葉。お前、やっぱり……!)

俺は黙って彼女を見つめた。

すると、植え込みの影から次々と「仲間たち」が姿を現した。

一華(賢者):『……あら、四葉。一番最初に白状するなんて、相変わらず短気ね』

乃二(聖騎士):『本当よ。もっとお淑やかに再会を果たすつもりだったのに』

忍三(暗殺者):『……私も、ずっと……気づいてた』

結五(聖女):『レオ様……また、お会いできて、本当に嬉しいです……!』

5つ子全員が、俺を囲んだ。

彼女たちの頭上のウィンドウが一斉に書き換わる。

[状態:正体開示フルオープン]

[好感度:限界突破(Lv.MAX)]

俺はゆっくりと立ち上がり、ドレスの裾をはたいて、彼女たち一人一人の顔を見た。

そして、今世で初めて、俺自身の意思で「念話」を飛ばした。

レオ:『……ああ、みんな。遅くなって悪かったな。……また、一緒のパーティを組んでくれるか?』

「バブーッ!!(もちろんだよ!)」

5人の笑顔が弾ける。

赤ん坊の姿だが、そこには確かに、世界を救った最強のパーティの姿があった。

だが、その感動的な瞬間を、一筋の殺気が切り裂いた。

「レオくぅぅぅん!! 娘たちと夕暮れの公園で密会だとぉぉぉ!!」

生け垣をマッハの速度で飛び越えてきたのは、号泣しながら「娘を守るための特製パワードスーツ(試作機)」を着込んだ真央パパ(魔王)だった。

パパ:『許さん! 勇者と娘たちのランデブーなど、この俺が、この真央が、命に代えても阻止するぅぅ!』

(……おい、いいシーンだったんだぞ、魔王。空気読めよ)

一華(賢者):『……パパ、邪魔。……みんな、いつものいくわよ』

「バブー!(オーッ!!)」

元・勇者パーティ、今世での初仕事。

それは、暴走する「魔王パパ」を全員でボコボコにして、晩ご飯に連れて帰ることだった。

夕暮れの公園に、パパの悲鳴と、赤ん坊たちの楽しそうな笑い声が響き渡る。

俺たちの、二度目の人生という名のクエストは、まだ始まったばかりだ。

【第1部・完】

第10話までお読みいただき、本当にありがとうございました!

ついに全員の正体が判明し、勇者パーティが再結成されましたね。

まあ、見た目は1歳の赤ん坊たちですが、中身は世界最強。

そして不憫すぎる魔王パパ……。

ここまでの物語はいかがでしたか?

これにて第1部は完結となりますが、もしお気に召しましたら、第2部「わんぱく小学生編〜魔王パパがPTA会長になっちゃった!?〜」の執筆も可能です!

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