第5回:実案件で壊れた話
ここまでの話は、
正直に言えば、まだ安全圏でした。
自分のペースで使えて、
失敗しても取り返しがつく。
「まあ今回は練習だから」と言える状況。
でも、実案件は違います。
納期がある
相手がいる
出したものが、そのまま評価になる
第5回は、
そこで一度、全部壊れた話です。
「これはいける」と思ってしまった瞬間
第4回までで、
手応えはかなりありました。
出力のズレは減った
判断軸も共有できている
会話も噛み合っている
「このレベルなら、
実案件でも使えるな」
そう思ってしまった。
今振り返ると、
この“慢心”が一番危なかった。
実案件に入れた途端、噛み合わなくなる
実際に案件で使ってみると、
おかしな違和感が出始めました。
下書きとしては悪くない
ロジックも通っている
でも、決定打がない
「さっきまで噛み合ってたのに、なんで?」
ここで初めて気づきます。
実案件には、見えない前提が多すぎる。
案件特有の“空気”を、渡していなかった
実案件には、
テキストに書かれない要素があります。
クライアントとの関係性
過去のやり取り
NGワード
暗黙の了解
これを、
一切共有していなかった。
ChatGPTからすると、
「一般的に正しい文章」を出すしかない。
当然です。
「考え方を覚えさせたつもり」だった
第4回で書いた通り、
考え方を渡しているつもりでした。
でも実際は、
自分の“理想”は伝えていた
でも“現実の制約”は渡していなかった
ここが、決定的に抜けていた。
実務は、
理想論だけでは回らない。
出せない文章ほど、直しにくい
一番きつかったのはここです。
完全にダメなら捨てられる
でも「惜しい文章」は捨てにくい
ChatGPTの出力は、
まさにこれでした。
直しているうちに、
「これ、最初から自分で書いた方が早くないか?」
という状態になる。
ここで、一度心が折れました。
「使えない」のではなく「使い方を間違えた」
少し距離を置いて、
冷静に考え直しました。
ChatGPTが悪いのか。
自分が下手なのか。
答えは、
運用を間違えていた。
いきなり本番投入した
案件特有の制約を渡していない
修正前提の使い方を設計していなかった
つまり、
“育成途中”のまま、
本番に出してしまった。
実案件で学んだ、最低限のルール
ここから、
自分なりのルールができました。
最初から完成形を求めない
下書き・論点整理・視点出しに限定する
最終判断は必ず自分が持つ
そして何より、
案件固有の前提を、先に全部渡す。
これをやらない限り、
実務では噛み合わない。
壊れたからこそ、役割がはっきりした
一度壊れたことで、
ChatGPTの立ち位置が明確になりました。
代筆者ではない
判断者でもない
でも、思考を加速させる存在
「一緒に考える相棒」という言葉が、
ここでようやく腑に落ちた。
この回で伝えたかったこと
この回で一番伝えたいのは、これです。
ChatGPTは、
実案件に入れた瞬間に、
一度必ず“壊れる”。
でもそれは、
失敗ではありません。
運用を現実に合わせるための通過点です。
次の話へ(続くかもしれない)
壊れたあと、
もう一つ大きな選択がありました。
ここで手放すか
それでも使い続けるか
次回は、
それでも手放さなかった理由の話です。
ここまで来た人だけが、
ようやく「使える側」に立てる。
続きは、また書きます。




