表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件  作者: おおりく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/51

第9話 聖女の画策と火花散る三者面談

『灼熱の洞窟』から戻った俺は、一躍、ギルド内で注目を集める存在となっていた。


「あの新人、レベル1の『模倣者』だろ?あいつが、カエデの姐さんとルナの氷結魔法を足止めするトカゲを、炎の拳で粉砕したってマジか?」


「炎と身体強化を同時に使うんだと。あんなの、前代未聞だぜ」


俺の能力に対する評価は、「幻のゴミスキル」から「究極の変則チート」へと完全に変わっていた。


カエデはそんな俺を誇らしげに連れ回し、勝利の祝杯をあげた。


「祝杯だ!ユウト!これで俺たちはもう一段階上の依頼に挑める!アンタはこれから、俺の右腕、いや、最高の武器だ!」


カエデは豪快に笑いながら、俺の肩を抱き寄せ、酔った勢いで頬にキスをしてきた。ギルド中が歓声と口笛で騒然となる。俺は真っ赤になりながらも、彼女の熱情的な好意を全身で受け止めるしかなかった。


その日の夜、ルナから秘密の呼び出しを受けた。場所は、ギルドから離れた、誰もいない夜の噴水広場。


「馬鹿ね、カエデ。あれで、貴方が魔力を過剰に使っていることに気づかないなんて」


ルナは、昼間のカエデの行動を冷たい目で非難した。


「ユウト、貴方の『炎の掌握』は強力だが、魔力の制御が非常に不安定よ。あの炎を身体に纏う行為は、普通の魔導士なら自滅行為だわ」


ルナは、氷結魔法を扱う自身の経験を元に、魔力の圧縮と流れの指導を始めた。


「いい?『コピーキャット』の真の価値は、スキルの複合にある。でも、その複合を可能にするには、細部にわたる魔力制御が不可欠よ」


彼女は、自身の青い魔力を、まるで水のように扱い、空気中に繊細な魔法陣を描き出して見せた。その指導は厳しく、知的で、俺の能力を最大限に引き出そうとする強い欲求に満ちていた。ルナの俺への関心は、もはや**「研究対象」を超え、「自分が育て上げたい傑作」**へと変わっていた。


そして翌朝。


俺がギルドに向かおうとすると、リリアが神殿の馬車に乗って現れた。その顔は、いつになく真剣で、どこか決意を秘めていた。


「ユウトさん、ギルドには行かないでください。すぐに神殿へ向かいます」


「どうしたんですか、リリアさん。何か緊急の用事ですか?」


「はい。神殿長にお願いし、特例として、貴方を神殿の『聖務補佐官』として迎え入れる許可を得ました」


俺は驚いて言葉を失った。聖務補佐官?


「リリアさん、それは…」


「聖務補佐官になれば、貴方はもう、危険なダンジョンに行く必要はありません。街の防衛や、聖なる儀式の手伝いなど、安全な仕事だけで生きていける。それに…」


リリアは目を伏せ、小さな声で続けた。


「貴方がカエデさんたちといると、本当に危険なんです。昨日、カエデさんが貴方にキスをしたのを見ました。ルナさんも、夜中に貴方を連れ出しているでしょう?」


彼女は顔を上げ、強い意志を込めた瞳で俺を見た。


「私は、貴方を戦闘の道具として扱わせたくないんです。貴方には安全に、そして穏やかに、この世界で生きていってほしい」


聖女による、究極の防御魔法――それは、俺を戦闘から引き離すことだった。


その時、角からカエデとルナが現れた。俺とリリアの会話を、偶然、あるいは意図的に聞いていたのだろう。


カエデが激しい口調で叫んだ。


「何言ってやがる、シスター!そいつは俺たちのパーティーの人間だ!勝手に神殿の囲いに入れようとすんじゃねえ!」


ルナも冷たく言い放った。


「馬車をお下げなさい、リリア。彼のスキルは、安全な場所で腐らせるべきではない。彼の可能性を潰すのは、神への冒涜よ」


「黙りなさい!貴方たちこそ、彼の命の危険をなんとも思っていない!ユウトさんは、もう十分に戦ったでしょう!」リリアが珍しく声を荒げた。


聖女リリアの献身的な愛、戦士カエデの情熱的な独占欲、魔導士ルナの知的な探求心。


俺を巡る三人のヒロインの思いが、この街の片隅で激しく火花を散らし始めた。


俺は、優しさという名の籠に閉じ込められるか、それとも危険な道を進んで彼女たちの期待に応えるか、という究極の選択を迫られていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ