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異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件  作者: おおりく


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第8話 灼熱の洞窟と炎の攻撃魔法

リリアの献身的なケアのおかげで、俺の身体と心は完璧に回復していた。


「無茶はしないでくださいね、ユウトさん。お守りです」


宿舎を出る直前、リリアは光の神殿の紋章が入った小さなペンダントを俺の首にかけてくれた。


「これをつけていれば、私が遠隔で貴方の生命力を感知できます。危険になったら、すぐに駆けつけますから」


その優しさが、俺の胸を温かく締め付けた。彼女は、戦士や魔導士のように俺の力を伸ばすことはできなくても、命をかけて俺を守ろうとしてくれている。


俺はペンダントを握りしめ、二人に合流した。カエデとルナは、すでにギルドの前で待っていた。


「おい、遅いぞ、ユウト!シスターとベタベタしてたのか?」カエデが不満そうに言った。


「馬鹿ね。彼の魔力回路が正常に回復しているか、治癒魔法で確認してもらっていたのでしょう。私たちが提供できないサポートよ」ルナはそう言いながらも、どこか不機嫌そうだった。


どうやら、俺の周りでは、リリアの献身的な優しさと、カエデ・ルナの実戦的な指導という、異なる種類の好意が衝突し始めているようだ。


俺たち三人が向かったのは、街から少し離れた『灼熱の洞窟』。火山の熱で内部が常に高温に保たれている、中級冒険者向けのダンジョンだ。


洞窟に入ると、灼熱の空気が皮膚を焼くように襲いかかってきた。


「ユウト、目的はただ一つ。この洞窟にいる魔物、『サラマンダー・トカゲ』から、炎属性の攻撃スキルをコピーすることだ」カエデが説明する。


「炎属性は汎用性が高い。防御スキルだけじゃなく、強力な攻撃手段を持てば、貴方の『複合スキル』の価値は倍増するわ」ルナも冷静に付け加えた。


ダンジョンの奥深くで、目的の魔物と遭遇した。体長一メートルほどの巨大なトカゲで、鱗は赤く熱を帯び、口からは常に炎の息が漏れている。


「前衛はカエデ!俺が抑える!」


カエデは大剣を構え、サラマンダー・トカゲの注意を引いた。


ゴオオッ!


トカゲは炎を吐き、カエデに向かって襲いかかる。


「肉体強化!ライト・ウォール!」


カエデの防御の隙をついて、俺は即座に防御の二重奏を発動させる。トカゲの炎は、カエデの剣と俺の『ライト・ウォール』によってかろうじて防がれた。


「ルナ!援護を!」


「言われなくても!氷結の波動フリーズ・ウェーブ!」


ルナが杖を地面に叩きつけると、冷気が地面を這い、トカゲの足を凍らせて動きを止めた。


絶好のチャンスだ。


トカゲが完全に動きを止める直前、その全身から、自身の体温と炎を制御するための赤い魔力の波動が放たれた。


【スキル:炎の掌握フレイム・マスタリーを模倣しました】


俺の紋章が、炎のように赤く輝いた。ついに、強力な攻撃系の属性スキルを獲得した!


「よし、コピー成功だ!ユウト、試してみろ!」カエデが叫ぶ。


ルナは緊張した面持ちで言った。「馬鹿な!いきなり炎の掌握なんて…制御をミスしたら、自分も燃えるわよ!」


「黙って見てろ、ルナ」


俺は地面に手をかざし、獲得したばかりの『炎の掌握』を発動させた。すると、手のひらから赤い魔力が湧き出し、一瞬で炎の塊が生まれた。


そして、俺は躊躇しなかった。


「炎の掌握!そして、肉体強化!」


俺は炎の塊を『肉体強化』した右手に集中させた。魔導士は通常、杖や魔力制御装置を使って炎を操作するが、俺は自分の身体そのものを炎の制御装置として利用した。


右手から放出された炎は、魔法の弾丸のように圧縮され、動きの止まったトカゲの頭部へと高速で叩きつけられた。


ドォン!


トカゲの硬い鱗は焼き焦げ、大きな爆発音と共に、魔物は討伐された。


「…すご…い」ルナが息を呑んだ。「炎の掌握を、手持ちの武器のように、瞬間的に…」


「見たか、ルナ!こいつこそ、俺が見込んだ男だ!」


カエデは心底嬉しそうに笑い、俺を抱きしめるように肩を組んだ。


「これで、俺たちのパーティーの火力は跳ね上がる!お前は最高の矛だ、ユウト!」


カエデの熱い体温が伝わってくる。彼女の俺への興味は、もはや「面白い奴」のレベルを超え、「最高の相棒」、さらには「手に入れたい獲物」へと変わりつつある。


一方、ルナは腕を組み、不機嫌そうにしながらも、その瞳は俺の右腕の炎が消える瞬間まで見つめていた。


「…炎を手に直接纏うなんて、馬鹿な発想だわ。でも、効率は、認めるしかない」


ルナのプライドの高い言葉の裏には、俺の力に対する強い敬意と、そして「私の魔法をこの力でどこまで高められるか」という、知的な探求心が渦巻いていた。彼女の態度も、ただの指導者ではなく、俺の能力に魅了された女性へと変わり始めていたのだ。


ダンジョンから脱出すると、俺の心には、カエデの炎のような情熱と、ルナの氷のような知的な魅力が、はっきりと刻み込まれていた。そして、遠くで俺の無事を祈ってくれているリリアの優しさも。


俺の異世界での人生は、ただ強くなるだけでなく、複数の女性の好意という、新たな課題を抱え始めたのだった。

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