第48話 愛の能力開発と聖女の最強の鍵
『愛の法則 具現化試練:塔』の第一階層『愛の料理対決』は、俺の『ハーレム・クリエイト』能力によって三者三様の愛の具現化という結果になり、勝敗なしの引き分けとなった。
俺たち四人は、第二階層へと続く階段を上る。
第二階層の試練の部屋は、広大な模擬戦闘フィールドだった。
【試練:『ユウトの最高の戦闘能力を引き出すための共同訓練』】
試練の内容は、三人のヒロインが協力し、ユウトの『ユニティ・ドライブ』を使い、『愛の法則』が作り出した究極の試練の番人を打ち破ること。ただし、主導権を握るヒロインの愛の形が、俺の戦闘スタイルに最も反映される。
カエデはすぐに大剣を構えた。
「これは俺の出番だ!ユウトの戦闘能力を引き出すには、情熱的な特攻が一番だ!ユウト!俺に『身体の主導権』を渡せ!俺の炎と闇を、お前の拳に注ぎ込んでやる!」
「待ちなさい、カエデ!」ルナがカエデを制した。「ユウトの『ユニティ・ドライブ』は、知性によって制御されなければ混沌に逆戻りするわ。ユウトの最高の戦闘能力は、『思考の主導権』を私に渡すことで発揮される。私が七属性全ての最適解を演算し、0.001秒単位で行動を指示する!」
究極の戦闘能力とは、情熱的な肉体か、完璧な知性か。二人は激しく衝突した。
その時、試練の番人がフィールドに出現した。それは、アザゼルの力を模倣した、七属性複合の巨人だった。
俺は、二人の対立に板挟みになった。どちらに主導権を渡しても、もう一人の愛の存在意義を否定してしまう。そして、俺が「どちらを選ぶか」を意識すると、『ハーレム・クリエイト』が暴走する。
(カエデの情熱も、ルナの知性も、どちらも僕の戦闘には必要だ!どちらか一つを選ぶなんてできない!)
ブォォオオオォン!!!
俺の体が七色の光を放ち、二つの方向へと引き裂かれそうになった。
右半身は、カエデの炎の魔力を受け、無謀な特攻を仕掛けようとする。
左半身は、ルナの氷の魔力を受け、完璧な防衛ラインを構築しようとする。
「ユウトが暴走しているわ!ユウト!私に集中しなさい!」ルナが叫ぶ。
「チッ、ユウトの体は俺の情熱で動くんだよ!」カエデが炎を放つ。
その瞬間、リリアが、二人とも予期しなかった行動に出た。彼女は、光の盾を構える代わりに、静かに歌い始めた。
それは、聖女の魔力を極限まで高めた『愛の賛歌』だった。
リリアの歌声は、七属性全ての不協和音を、美しい調和へと導く。
「カエデさん、ルナさん。ユウトさんの体は、誰かの独占物ではありません。ユウトさんの最高の能力は、『愛の安定』から生まれるのです!」
リリアは、「誰が主導権を握るか」という争いの概念そのものを否定した。
「ユウトさんの肉体の熱は、カエデさんの情熱に。ユウトさんの思考の速さは、ルナさんの知性に。そして、全ての力は、私の揺るがない愛によって、永遠に調和される!」
リリアの『愛の賛歌』は、俺の体の中で激しく衝突していたカエデとルナの魔力を、強制的に『調和の状態』へと固定した。
『ハーレム・クリエイト』の力は、リリアの『永遠の安定』という願望を絶対的な法則として受け入れた。
俺の体は、二つに引き裂かれることなく、カエデの情熱的な肉体とルナの知的な思考を、リリアの光の安定のもとで同時に制御できるようになった。
俺のユニティ・ドライブは、愛の献身によって、究極の安定と進化を両立させた。
「ありがとう、リリアさん…!」
俺は、カエデの炎の特攻とルナの氷の防御演算を同時に行い、七属性複合の巨人に『ユニティ・ストライク』を叩き込んだ。
ドォオオオォン!!
巨人は、調和の光の前に、跡形もなく消滅した。
試練の勝者となったのは、『愛の主導権』を放棄し、『愛の調和』を歌い上げたリリアだった。彼女は、聖女の愛の法則で、カエデとルナの愛を救い、俺を究極の調和へと導いたのだ。




