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異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件  作者: おおりく


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第4話 強引なスカウトとスキルの複合というチート

カエデの鋭い視線は、俺の全てを見透かしているようだった。


「あんた、絶対に何かを隠している。あんな動き、素人にできるもんじゃない。なあ、シスター。そいつは『隠しスキル』持ちか?」


リリアは俺を庇うように一歩前に出て、必死に首を振った。


「違います!ユウトさんは記憶を失っていて、特別なスキルなどありません!」


「記憶喪失、ね。便利な言い訳だ」カエデは面白がるように鼻で笑った。「まあいい。俺は冒険者カエデだ。ユウト、あんたは運がいい。俺が組んでやる」


ザックと名乗った黒狼団のリーダーは、カエデの登場で完全に大人しくなっていた。カエデはこの街では相当な実力者らしい。


「一緒にギルドに来い。あんたを正式な冒険者として登録してやる。リリアの小娘が神殿に連れて行ったら、あんたの面白そうなスキルはきっと腐っちまうだろうからな」


半ば強引なカウトだった。リリアは不安そうに「神殿へ行きましょう」と懇願したが、俺はカエデの提案に乗ることにした。


「リリアさん、ごめんなさい。僕は、この世界に来てまだ何も知らない。とりあえず、この街で一番活気がありそうな場所を見てみたいんです」


それに、俺のスキル『コピーキャット』を育てるには、強い奴らと触れ合う必要がある。そして、冒険者ギルドこそが、その宝庫に違いない。


リリアは深くため息をついた。


「…わかりました。ですが、何かあったらすぐに私に言ってください。街での生活の基礎は、神殿がサポートします」


彼女はしぶしぶといった様子で了承し、俺とカエデは共に、ギルドの重厚な木製のドアを潜った。


ギルドの中は、酒と汗と興奮が混ざったような熱気に満ちていた。壁には魔物の討伐依頼が張り出され、大剣を持った男や、杖を持った魔導士らしき人々が、酒を飲みながら騒いでいる。


「さあ、まずは登録だ。あんたの初期スキルを申告しろ」


カエデに連れられ、俺は受付嬢の前で立ち尽くした。初期スキル。俺が持っているのは、元の世界の神から与えられた『コピーキャット』、ただ一つ。


受付嬢は、俺の提出した情報を見て、目を丸くした。


「えっ…初期スキルが、『模倣者』…しかも、レベル1?」


周囲の冒険者たちがザワつき始めた。


「おい、冗談だろ?あの幻のゴミスキルか?」


「模倣者は成功率が低すぎて、実質無スキルと同じだ。あんなひ弱そうな奴じゃ、登録してもすぐ死ぬぜ」


模倣者コピーキャット』は、この世界ではほとんど使い物にならない、最弱のスキルとして認識されているらしい。カエデも少し顔をしかめたが、すぐにニヤリと笑った。


「上等だ。初期値が低ければ低いほど、跳ね上がった時に面白い。いいか、ユウト。スキルを育てたきゃ、すぐに実戦だ」


カエデは登録が完了したばかりの俺の手を引き、ギルドの裏手にある「訓練場」へと連れて行った。訓練場には、木人や、魔力障壁で囲われた小さな闘技場がある。


「おい、訓練用のゴーレムを起動させろ!」


カエデの指示で、鉄の腕を持った小型の訓練用ゴーレムが起動した。


「そいつを倒せ。あんたがさっき使った『肉体強化』とやらと、『ライト・ウォール』でな。弱くても、スキルは組み合わせて使うもんだ」


俺は戸惑った。確かに二つのスキルを持っているが、それをどう組み合わせるのか。


ゴーレムが鈍い音を立てて、俺に向かって鉄の拳を振りかざしてきた。


「ライト・ウォール!」


反射的に防御魔法を発動させたが、ゴーレムの拳は障壁にヒビを入れる。さすがに防御専門のスキルではない。


その時、カエデの鋭い声が飛んできた。


「バカ!防御魔法を出す前に、身体を強化して、障壁の後ろに回り込め!」


身体を強化…。


俺はハッとした。そうだ。スキルは個別に発動するのではなく、同時に使えるのではないか?


『コピーキャット』の真の力は、ここにあった。


俺は、再びゴーレムの攻撃が来る直前、全身に『肉体強化フィジカル・ブースト』を発動させた。そして、強化された肉体で、ゴーレムの攻撃を紙一重でかわす。同時に、その攻撃の直線上に『ライト・ウォール』を生成した。


ガシャン!


ゴーレムの拳は、誰も守っていない空虚な空間に生成された障壁に激突し、その衝撃でゴーレム自身が大きくよろめいた。


そして、俺は強化された脚力で、ゴーレムの動きが止まった瞬間にその背後に回り込み、『肉体強化』を施した拳を、ゴーレムの接合部へと叩き込んだ。


ゴッ!


「よし!完璧だ!」カエデが歓声を上げた。


ゴーレムは動きを止め、その場に崩れ落ちた。


俺の心臓は高鳴っていた。複数のスキルを同時に、そして複合的に使う。これは、ただの模倣ではない。俺は、スキルをコピーするだけでなく、スキルを設計することができるのだ。


「フン、やるじゃないか、ユウト。やはりあんたは面白い」


カエデは満足そうに笑い、闘技場の端にいる冒険者たちに呼びかけた。


「おい、見たか?こいつは今日から俺のパーティーだ!文句がある奴はかかってこい!」


カエデの宣言により、俺は有無を言わさず、この世界で最も苛烈な場所に足を踏み入れることになった。そして、俺のスキルは、一瞬の間に、複数の冒険者たちの熱い視線を一身に集めることになったのだった。

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