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異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件  作者: おおりく


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第37話 聖女の決断

『ユニティ・ドライブ』の衝撃が収まった後、ギルドの地下は静寂に包まれた。


サイラス王子は、全ての魔力を剥奪され、その秩序の光の権威を失って膝をついている。残りの騎士団も、武器を失い、完全に無力化されていた。


俺は、極度の疲労からリリアに抱えられたままだったが、意識は保っていた。


ルナは、冷静にサイラスを見下ろしながら、警告した。


「サイラス王子。貴方を打ち破ったことは、『均衡の守護者』の真のリーダーにとっては、些細な出来事に過ぎないわ。彼らは、貴方よりもさらに強力な駒を用意している」


ルナの言葉は、王族の権威が、闇の陰謀の表面的な道具でしかなかったことを示唆していた。


「私たちに残された時間は少ないわ。彼らは、ユウトの未完成の『究極の単一属性』の存在を知った。次は、王族の権力ではなく、世界規模の力で私たちを潰しに来る」


リリアは、サイラスの敗北とルナの警告を胸に、重大な決断を下した。


「ユウトさん。私は、もはやこの国の秩序を信じません。神殿も王族も、貴方を利用するか、排除することしか考えていない」


リリアは、抱えている俺の顔を見つめ、強い意志を込めて言った。


「私たちは、王族の保護下にいた聖女と騎士という立場を、完全に捨てる。ここから、脱出します」


カエデは歓喜の声を上げた。「ついに、シスターも腹をくくったか!次はどこへ向かう?」


「『魔族領』と『人間界』の国境付近にある、『中立都市ラビリンス』へ向かいます」リリアは答えた。


その名を聞いて、カエデとルナの顔が険しくなった。


中立都市ラビリンス。そこは、文字通り光と闇の勢力が入り乱れる、世界で最も混沌として危険な場所として知られている。法も秩序も緩く、世界中の無法者、そして情報が集まる場所だった。


「ラビリンスだと…!あそこは、王族の権威も、神殿の力も及ばない場所だぞ」カエデが驚きを隠せない。


「ええ。ですが、王族の光も、均衡の守護者の闇も、互いに監視し合っているため、迂闊に大規模な攻撃を仕掛けることができない『力の均衡の場』でもあるわ」ルナが分析した。


リリアは、俺の安全のため、自らの光の権威を捨て、最も危険な混沌の地を選ぶという、究極の愛の選択をしたのだ。


その日のうちに、俺たちはサイラス王子と騎士団を地下室に拘束し、ギルドから脱出した。


馬車に揺られ、王都を離れる夜道。リリアは、俺の隣で、不安と決意の入り混じった表情をしていた。


「ユウトさん。貴方を『混沌の地』へ連れていくことは、私の騎士としての義務に反しているのかもしれません」


俺は、リリアの手をそっと握った。「リリアさん。僕にとって、貴方のいる場所が、秩序です。貴方の愛の光が、どんな混沌の中からも、僕を調和へと導いてくれます」


俺の言葉は、リリアが王族の権威から解放され、自らの愛を信じられるようにするための、騎士としての最高の励ましだった。


ルナは、馬車の窓から夜空を見上げながら、新たな知的探求への期待を隠せなかった。


「中立都市ラビリンスには、世界中の秘術師が集まっている。きっと、ユウトの『究極の単一属性』を、永続的な力へと昇華させる鍵があるはずよ」


カエデは、馬車の屋根で夜風を受けながら、不敵に笑う。


「へっ、混沌の街か。光も闇も関係ねえ、純粋な力だけが物を言う場所だ。ユウトの肉体を、真の戦士にしてやるぜ」


三人のヒロインは、自らの愛の形を、新しい環境で試そうとしていた。リリアは光の権威を捨てて真のリーダーへ、ルナは知的な暴走から冷静な指南役へ、カエデは情熱の炎から信頼の盾へと、それぞれ進化し始めていた。


数日後、俺たちは、光と闇の混ざった独特の魔力に満ちた、巨大な城壁に囲まれた都市に到着した。


『中立都市ラビリンス』。


その門をくぐった瞬間、俺の『コピーキャット』の紋章が、この街の多種多様な魔力**に反応し、激しく脈打ち始めた。


ここは、七属性のスキルを持つ俺にとって、最大の試練であり、最大のチャンスだった。


王族の秩序から解放された俺たちは、世界の混沌の中で、究極の単一属性を完成させ、『均衡の守護者』の真のリーダーに立ち向かうための、最後の旅路を歩み始めるのだった。

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