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異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件  作者: おおりく


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第16話 聖女の悲痛な訴えと神殿騎士団の包囲網

『竜殺しの遺跡』から帰還した後、俺の心は満たされていた。カエデから得た『超速物理強化』は、『魔力演算』と複合することで、文字通り全てを破壊する力となった。


カエデは俺の強さに満足し、ルナは俺のスキルの可能性に目を輝かせている。しかし、パーティーのリーダーであるリリアは、極度の不安と動揺に沈んでいた。


ギルドに戻ってからも、リリアは終始無言だった。そして、俺たち三人が一息つく間もなく、リリアは神殿の奥にある神殿長の執務室へと駆け込んだ。


「神殿長様!ユウトさんを、すぐに危険指定対象にしてください!」


リリアは涙ながらに訴えた。


「彼は、たった数日で光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理のスキルを全て手に入れました!彼の能力はもはや制御不能です!このままでは、彼は魔王の力の継承者として、いずれ世界を破滅に導くかもしれません!」


リリアは、自分の契約が「彼を守るための安全策」ではなく、「彼を危険な道に突き落とすための許可証」になってしまったことを痛感していた。彼女は、俺を愛しているからこそ、その異常な力が世界を壊す前に、神殿の権威で制限しなければならないという、悲痛な結論に至ったのだ。


神殿長は、リリアの報告を重々しく受け止めた。


「…リリア聖女。君の判断は正しい。あの『模倣者』の能力は、神々の定めた世界の均衡を乱す。しかし、すでに君と『専属契約』を結んでいる者を、一方的に拘束することはできない」


「ですが…!」


「ただし。彼の行動が公然と『神殿の教え』に反する、あるいは『公共の安全を脅かす』と判断されるならば、話は別だ」


神殿長は、隣に控えていた厳めしい騎士団長に目配せをした。


その日の夕刻。


俺はカエデ、ルナと共にギルドの外で、次の依頼について話し合っていた。カエデは次の標的を**『雷鳴の山』**に定め、ルナは雷属性の複合計算について熱心に説明している。


その瞬間、街の喧騒が一気に静まり返った。


「ユウト!囲まれた!」カエデが鋭く叫んだ。


俺たちがいる広場を、重厚な銀色の鎧に身を包んだ神殿騎士団が、完全に包囲していた。彼らは皆、槍を構え、その魔力は尋常ではない。


騎士団長が、威圧的な声で告げた。


「聖務補佐官ユウト。並びに、紅蓮の牙の冒険者たち。貴君らは、神殿の許可なく、闇属性のスキルを公然と行使し、さらに神殿の教えに反する過剰な武力を保持した疑いがある。直ちに武器を捨て、神殿の監禁室にて尋問を受けよ!」


神殿騎士団の目的は、俺の能力を封じ、リリアの意図通り、俺を安全な場所…すなわち隔離された場所へ連れ去ることだった。


カエデは笑った。それは、怒りではなく、獲物に出会った戦闘狂の笑いだった。


「来たな、最高の獲物が!ユウト!ルナ!あのシスター、ついに本気で俺たちを潰しに来やがったぜ!」


「…愚かな。神殿の権威でユウトを縛れると思っているのね」ルナは冷ややかに、しかし魔力を高めながら言った。「ユウト。貴方の七重の複合スキルが、この神殿騎士団の統一された防御陣をどこまで崩せるか、試す絶好の機会よ!」


俺は、神殿騎士団の包囲網の中に、静かに立っていた。この状況は、リリアが俺を愛しているからこそ起こった、悲しい試練だ。


俺は、首にかけているリリアのお守りを握りしめた。


「カエデ、ルナ。絶対に、誰も傷つけずに、この包囲網を突破する」


俺は、自分の持つ全てのスキルを、戦闘のためではなく、回避と脱出のために複合させた。


肉体強化で加速。魔力演算で騎士団の動きを予測。地盤強化で足場を固め、ライト・ウォールと闇の障壁を多重防御に。そして、炎の掌握と氷結弾を組み合わせ、非殺傷の制圧魔弾を生成する。


「行くぞ!」


俺の全身から、光と闇、炎と氷が混ざり合った、七色の魔力の奔流が溢れ出した。それは、この世界に存在しない、唯一無二の力の顕現だった。

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