猛烈な“後悔”
皆んな!体調には気をつけて!
何が起こった?
素直に言おう、分からなかったが素直な感想だ、何をされたか、何をしたのかも。
「キャァぁぁぁーーー『五月蝿い』ギヤヒュッ」
叫び声を文字通り膨大な熱量。
なっ、今二人、二人こんなにあっさり殺しやがった
ていうか、蘇生の札は?発動してないじゃ・・・
すぐには“現実”というものは、受け入れられないものである。
「もう無くなってる」
嘘だろ?あの一瞬でぜ、全員一回死んでるってことかよ!
こいつは、俺達じゃ勝てない。
そのことを確認するには、充分過ぎる現状である
「レっ、レビィン、」
「なっ何よ?」
小声で一言
「全力で逃げろ」
そういって俺は、奥の手を使うレビィンに、強制魔法発動強制転移を使う
「待っ、ドォン!!!
強制転移は、使用者が思った所に強制的に移動させるという物
指定場所は、少なくともこの場所より遥かに上にランダムで転移させた。
「あいつが逃げ切れるまで大丈夫だろ」
目の前の男が喋りだす
「貴殿は、何故自ら殿に?」
「あぁ?んなもん決まってんだろ」
「あいつに、死んで欲しくと思ったからだ」
しばし沈黙、そして
「そうか、我は力を取り戻した王、傲慢の王である、貴殿を一人の男として見よう」
「一等星」
違う技?
今度は、ただ真っ直ぐ、ではなく俺を追尾してきやがった。
速度は、変わらず俺を追う
・・・
「って!」
私も戦う
その叫びは、誰にも届くことはない。
今立ってる場所は、強制的に、だが自身の幼馴染が作った退路その上に立っている。
目の前には涙の回廊の扉、そこを通れば“安全”を手に入れられるだが大切な人を失うかもしれない。
戻れば自分は死ぬかもしれない、それこそ彼に失礼ではないか?たが、ここで引けば、私は、この先の人生に“猛烈な後悔”を刻むだろう。
分かっている、これが無駄だということも、分かっている逃げた方が良いことも、だが捨てない、見捨てたく無い、ここで見捨ててしまったら貴方に今度こそ会えなくなるから、
私は、貴方のためなら死なせるわけにはいかない
「お願い、力を貸して・・・
嫉妬の王」
小さな願いに、力を取り戻した王の一人が応える
話は、約六年前に遡る、
・・・・・・
「ねぇ!まってよ〰︎」
「ほら!はやくはやく!」
レビィンが追う先には、坂を元気よく走るベアル。
その姿は、手を伸ばせば掴んでしまいそうで、されどその姿に追いつく事は出来ない。
結果、
「ウェーイ、またぼくの勝ちー」
目の前の少年が煽る、真剣に煽る。
「う、うっさい!たった5連敗しただけでしょ!」
「いやいや、短距離走をハンデありで5回も負けたらダメでしょ」
真面目な顔で言ってきた正論は、少女を泣かすには
充分であった
「うえーん」
大号泣である
「もぅうっさい!バカ!もう知らない!」
少女はすねた、全力ですねた
「あっ」
ベアルが何か言いたがな顔をしていたが、それよりも速く彼女が行ってしまった
その事を、私は強く後悔している
あの彼との会話がこれが最後になるとは思わなかったから。
勢い良く坂を下り終え歩いていると、声がした
『あぁ、ワタシの愛しい現し身、さぁこっちに』
その声に、彼女は反応してしまった。
現し身・・・六王の力の一部又は、“欠点”を備えてる七人の人間。
大抵は、“力”に呑まれる。
だが、その“力”さえも我が物とした人間が現れる
その姿は、果たして人間と呼べるのか・・・