“正義”
先に言っときます。
本編とはちょっとだけ関係あるよ。まぁある意味前日譚かな?
意味が不明でも、そう言うもんだと思ってください。
かなり非人道的な描写があるので個人差はあれど、苦手だと思うのなら見ない方がいいと思います。
それは、遥か昔の記憶。今は“竜人”となった“正義”の記憶。
『ーーッピバースデートゥユー』
『ハッピバースデーディア、おとうさん』
『ハッピバースデートゥユー。おめでとうー!!』
ドアを開けると、目の前の光景に理解が追いつかず、フリーズしてしまう。渡されたプレゼントを唖然とした表情のまま受け取る。
『あ……そっか、俺、今日誕生日、だったのか』
そのまま、目から涙がこぼれ落ち始める。次々と止まらず涙を流し続けるその様に、子供達が駆け寄って背中をさすったり、大丈夫?と声をかけたりしている。
『ありがとう。ありがとう。ほんっとにありがとうなぁ……』
背中をさする手は小さいものから、大きなものまでいろいろある、抱き付く体もまだ小さい人の方が多い、それでもその誰もが皆んな
『あったかいなぁ……』
まさか子供達に泣かせられるとは思ってもいなく、驚き三割、感謝七割と言った感じである。
『皆んな、ありがとう。それでさ、コレみんなで買ったのか?』
そう聞くと、みんなが目を合わせ幾人かは恥ずかしそうな目をしてコクリと頷いた。
『ん?それじゃ、机の上に置いてあるコレは何だ?』
一人がとてとて、と小走りで向かって赤い箱を取って寄ってくる。
『んっとね。これはね、なんかねしらないおじさんから、『お父さんに』ってね、わたしてきたの』
持って来てくれた子の頭を撫でて、渡された箱を見て、(そんな友人いたっけな?)と思いながら蓋を開けようとする。
ーー軽い。軽すぎる。
そう思った後の行動は、遅過ぎた
『全員!伏せろ!!』
箱が歪な形に変形し始める。その箱を頭上に投げ飛ばし、少しでも多くの子供を守るため、自身が子供達に覆い被さり盾となる。
頭上で爆破し、衝撃が彼含めた子供達に降りかかる。その全てを一人で受け切り、子供達のほとんどを無傷で守り切った。
それでも、先程の爆破で目がやられ失明した子、火傷を負った子など、庇い切れなかった子に被害が出ていた。ーー木片が頭に刺さって、事切れていた子もいた。
誰かがあっと声を漏らした、その子にパッと向くとその子の体が光初めて……
爆散した
それは、箱をとって来てくれて頭を撫でた時、嬉しそうに微笑んでいた齢五歳の男の子。
幾人かを巻き込み、その子を含め約ニ十人がバラバラに吹き飛んだ。
そして、それに続くように悲劇は終わらない。いつの間にか自身の家の周りを数百人の兵士が周りに待機していたのだ。
パニックになる者、泣き出す者、お互いに抱き合い震えている者、そして……怒りを感じている者。
一人の青年がふらふらと自身のところに歩いて来て、縋り付くようにーー謝った。
『父さん、ごめん。俺だ、俺の、……』
“俺のせいで”と言おうととした時、その口が塞がれた。誰のものでも無い、父と呼んだその男の手によって
『違う。それは、絶対に違う。これはお前のせいじゃ無い。もし、“自分のせいだ”と思うのなら、それは父である俺の責任だ、だからお前じゃ無い』
一見すれば、無茶苦茶な理論。それでも彼は続けて言う。
『そもそも、この可能性が分かって俺はお前を拾ったんだ……一度でも、俺がお前を嫌ったか?』
その言葉を聞いた青年は、首を振る。
『一度でも……化け物だと罵ったか?』
また首を振る。
『ここでの生活は……楽しかったか?』
『ゔん、すっっごい楽しかったよ?』
涙を流しながら、精一杯の作り笑顔で応える。
残った六人の子供達の顔をそれぞれ見て、ニッコリと優しく笑って
『俺はお前らといれて“幸せ”だったよ。最後に……お前ら“幸せ”になれよ?』
“正義”は散った。無敵を誇ったアルカナは、子供を守るためにその命を散らした。
『【信条】『敵を殺し尽くせ』』
“正義”が受けた、最後の【信条】だった……




