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『龍災』支配と傲慢 其のニ


4000PV突破!!!ありがとうございます!!


 方や人間、方や天使。停滞した戦場に投げかけられた言葉。


「お前、“竜人”だな?」







 ーーそんな事は、知っていた。


 そう思い、ドミニオンは目を細める。まるで何かを尊ぶような表情で……




『王さま!王さま。みてみて!!じょうずに出きたよ!!』


 そう言って泥だらけの手で俺の服を引っ張って、足元に来た子供。この子は、俺が自ら滅ぼした国の孤児の一人。


『待て待て、悪いが今お前達の食事を作っているのだ……待ってはくれぬだろうか?』


『やだっ!!今がいいの!!!』


 相変わらず裾を引っ張り、わがままをこね始める。ドミニオン含めこの部屋にいる子供以外、相変わらずだなぁ〜と生暖かい目線を向けていた。


 作っていた料理の火の番を他の子に任せ、自身はその子に手を取られ外に行く。


 手を繋いだ子供は、嬉しいのかスキップをしながら隣を歩いている。外にある砂場に着いた時、その子供はこれ見よがしに指を刺しはつらつとした声がドミニオンの耳に聞こえた。


『ほら!お山さんができたよ!!じょうずにできたでしよ?』


 そう言って、よほど嬉しいのかドミニオンの足元をピョンピョンと飛び回る。

 

『あぁ、そうだな。上手に……出来てるじゃないか』


 なんとも言え無い、クシャッとした笑顔を見せていた。


 そして見せた事で満足したのか、また手を繋ぎに足元へくる。俺は優しく手を引いて連れて行く。


『さぁ、ご飯の時間だよ』


 その子供は嬉しそうに微笑んだ。






 目の前には、空を覆い尽くす羽が生えた人間。世界を調律し均衡を保つ為の人形(道具)


 ーー天使


『あ……うゎ……』


 目の前にあるのは、全身をグシャグシャにされて尚、息がある子供。体は捻れ、自分の腕が体を貫通して突き出ており、足はあらぬ方向に折り曲げられている。


『なん、で……』


 無機質な剣の切先を満身創痍なドミニオンに向けて、その天使は死んだような目で終わりを告げる(奇跡を叶える)言葉を紡いだ。たった一言、それがこの国を跡形もなく消し飛ばず。


 最後に彼が聞いた言葉は……





「『勇気ある行動に賞賛を(愚かなる空想に憤怒を)』」


 現実が変容する。天使()の一薙ぎが、国を終わらせる一撃に成る。





死天使(サマエル)ゥゥ!!!!』



 悲痛な慟哭が、ものを言わず崩壊する国に響いた。何故だろう……その天使の表情もまた、悲痛に満ちていた。


 彼の死体は、子供と手を取ったままだったと言う……















(何故、今なんだ?)


 初めから分かっていた。自分が既に人間と言える領域に居ない事を、あの男に蘇させられた時にから理解していた。


「すまんが、俺が生きていた時は“竜人”などと言う者は知らなくてな、それが化け物を指す意味だとするのなら、やめて欲しい。俺は、人間だ!!」


「そうか……それは失礼だったな」


 忘れてくれとルシファーが言い終わる前に、ドミニオンは既にルシファーの目の前に移動し、右手を握りしめていた。


「!」


 ルシファーの反応が僅かに遅れる。その隙を見逃さんと容赦無くその一撃が繰り出される。



 『支配の王』のスキルの本領。


 ただ、王の攻撃の無効化だけで無く。スキル限定で、今まで戦った“王”達のスキルを使用することができる。


「【主権(キュリオテテス)】」


 それは、今までドミニオンが戦った“王”達の記憶。それが、今解き放たれる。


「『火天の王(アポロン)』『壊光の王(ペルセポネ)』」


 赤い紅焔が、暗い閃光が、ルシファーの顔面で爆ぜる。


 衝撃が、空間を震わせる。喰らった事がないほどの衝撃にルシファーはともかく、ドミニオン自身でさえふらつくほどであった。


「ぐっっ!!」


 ルシファーは再度、空へ飛翔する。そしてそれを追うように、ドミニオンも『火天の王(アポロン)』の能力『人体発火能力』を強め、脚に集中する事で上に飛び上がる。


「『一等星(シリウス)』!!」


 一筋の光が唸りをあげて眼前に迫る。ドミニオンは右手を前に出して、迫り来る極光に対抗せんと叫ぶ。


「『侵食の王(ポセイドン)』!!」


 右手の前に青い玉が発生する。すると光が、まるで右手の玉を避けるかのように二つの分かれた。


 『壊光の王(ペルセポネ)』と言うスキルは、魔力を衝撃に、衝撃を魔力に変換する能力。


 『侵食の王(ポセイドン)』と言うスキルは、【海玉】と呼ばれる魔力を斥ける玉を作り出す事ができる。


 この二つを組み合わせれば、こんな事も可能である。


「複合スキル、【主権(キュリオテテス)】『侵海峡(バミューダ)』」


 先程、二つに割ったルシファーの魔法を『壊光の王(ペルセポネ)』を纏った複数の【海玉】で互いに斥け合い、【海玉】に受けた衝撃を魔力に変え、その魔力をルシファーの魔法に注ぎ込む。


 それを繰り返し、その魔法自体の威力を強化し続ける。


「征け」


 ドミニオンがそう呟くと、ルシファーに向けて放たれる先程の『一等星(シリウス)』元々の威力とは大きくかけ離れて、ルシファーの周りの空間を食い潰す勢いで迫って来た。


 ルシファーは、逃げようともせず。ただそこに居た。


「これは使いたくなかったのだがな……」


 当たる寸前に、一つ口を動かしそれを唱えた。



十二連星(ヒトノホシ)……『絶』」


 “星”の一つ『絶』を唱えると、ルシファーに強化された『一等星(シリウス)』が容赦無く、叩き付けられた。


「……何が、したかったんだ?」


 前後左右、自身の立ち位置が分からなくなるほどの光に包まる。ドミニオンはただ困惑した様子でそれを眺めていた。


 急に何かを唱えるから、何か来るのかと少し身構えていたがどうやら無駄になった様子にため息を吐く。


 光が晴れて、ドミニオンは辺りを見渡す。ルシファーの体があるはずだが、それが見当たらない。


「どこに、行ったんだ?」

「俺ならここにいるぞ?」


 バッと振り向き、振り向き様に『火天の王(アポロン)』で焼き払うが、ルシファーの『神力』によって中和される。


「アレを喰らって、生きている道理が無いのだが……」


「先程、我が使用したのは『絶』と言う権能でな、これは魔法の威力より少し上の防御能力を得ると言う能力なのでな、耐えた。それだけだ」


 天使の羽が、展開される。純白の羽が生きたように空を舞う。輝きが増して行き、そして今【神力】の奥義が放たれる。


「ーー神具顕現」


 一時的に『神力』が使用不可になる事を条件に、使用する『神力』を極限にまで練り上げた者にしか扱えない、正しく天の裁き。


「【神苑(カムイ)】」


 『神域』それは天使の大元となる神が居座る空間の事。その周りを外敵が護るように【火】が囲っている。


 【神苑(カムイ)】はそれにちなんだ神具であり、神域を護る為の炎を自身に仇なす敵にむける、制裁である。そしてドミニオンに向けて聖火が今、放たれたーー

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