あまりにもあからさまな変装をしている変態を見つけてしまった時の対処法(物理が一番!)
お願いします!更新遅れてすいません。
「見つけたぞ!!こっちだ!!」
何故だ?
「いたぞいたぞ!!しばき上げろ!!」
何でですか?
「「「ぶちのめせ!!!」」」
「ちょおおおお!?!?」
ただ今俺は、街中を爆走しています。お、子供がこちらに指差して笑っていやがる、ちくしょうが。
ついでに背後には数十人をトレインしちゃってますね……どぉおしてこうなったんだよぉぉ。
俺は悪く無い!多分……
行く先々で何かしらのトラブルに巻き込まれている自覚はあるが、今回はあいつらが悪いと思っている。九対一であいつらに問題があると思う。
と、まぁ話が脱線しかけたところで、少し話を戻そう。
これは俺たちがルイラ皇国に入ってしばらくしてからのことである。
『おい、坊主。お前は一応変装しとけ』
フェルがついた途端に、こんなことを言い放ったのである。まぁ当然、俺は聞き返したけどね。
「どうゆうことやねん。何でカフジエルとお前が良くて、俺がダメなん?」
すると、やれやれと言うかのように頭を掻いて、呆れた様子で口を開いた。
『いや、お前顔が割れてんだろ。この間なんか騎士団の『剣聖』と結構ドンパチやったって、お嬢から聞いたんだけど?』
「あ……」
理由はわかる。まぁ自分が蒔いた種だからな、でもさこの服はどうかと思うんだよなぁ。
「何でさ、普通の服に、背後から羽が生えた服を着せるかなぁ。しかも謎の光沢入り、変なとこで凝ってんじゃねぇよ。どっちも服のセンス終わってんだろ……」
「ま、まぁ良いんじゃ……ないの?」
『ぶふっ、やっぱお前最高だわ』
こいつら、わざとやりやがったな。
しかもタチが悪いことにこの服、フェルが錬金魔法で生成した物なので、その気になれば俺を立派な犯罪者に仕立て上げる事が可能である。
服と一緒に、俺の人生もパァンと弾ける事になるな。
「ていうか、フェル。お前錬金術みたいなやつ、使えるんだな。てっきり何もできねぇもんだとばっかり」
『……』
「どしたん?」
急にフェルが黙りこくって、明後日の方向に首を傾けていた。
「大丈夫か?……ちょっとカフジエルさん、こいつを現実に戻してくんない?」
「やっても良いけど、コイツの首があらぬ方向に曲がるよ?」
「おい、フェル!!早く起きろ!殺されるぞ!!」
俺はフェルの体を縦や横に揺らし続け、その後フェルが呆気に取られた表情で帰ってきた。
『あぁ……悪い、お嬢。それと坊主もありがとな』
急に優しくなったフェルを見て、ちょっと違和感があったが、カフジエルが口を開いて、話し始めた。
「さぁ、そろそろ動きましょう。カタワレは教会にいるのよねフェル?」
『おう、本人は自覚が薄いぽいし、能力も上手く扱えてないから回収は大丈夫だと思うが……』
「何だよ、歯切れが悪い言い方だな」
俺はその時、ふと何かを思い出した。いや思い出してしまったと言った方がいい。
フェルの肩を、これでもかと力を込めて投げ出さないように掴んで
『あ、あのベアルさん?痛、ちょっ……痛い痛い痛い!!!』
「オイオイ、な〜んで俺の服がまだこんな奇抜な格好のままなんだぁ?」
謎の光沢と、背中から腰にかけて垂らしたようにある羽が邪魔でしょうがない。
「『あ、ヤベ』」
その時、フェルが俺の手を振り解き、全速力で逃げた。ついでにカフジエルも逃走しやがった。
ーー俺の服をそのままにして。
「クソッタレがああぁぁ!!!!」
俺の悲痛な叫びが、亀裂のある空に木霊した。
『ふー、危なかったな。危うくぶっ殺されるところだったよ』
路地裏にもたれかかって、安堵のため息をつくフェル。直前まで走ってたようで、まだ息が整っていない。
『お嬢とも逸れちまったし、どうしたもんかね』
そう言って立ち上がって、辺りをキョロキョロと見渡し始める。ほんの少し、視線と違和感を感じた。
『これはもう、各々教会に向かった方がいい気がするな』
カフジエル達と逸れた事に、若干の残念さはあるがそれでも今回来た目的を達成しないといけない事には変わりはない。
幸いにも、教会の目印でもある毒を入れている杯に月のマークが見える。
だがフェルが向かった先は、それの逆方向に歩き始めた。
どんどん進んで、入り組んだ路地を進み続け行き止まりにたどり着いた。そして振り返りフェルが口を開く。
『さっきから、俺たちを付き纏って……いや用があるのは俺だけか』
物陰から出てきたのは、たった一人の黒い礼服に身を包んだ人物である。その人物の両手には鋭い刃物が握られていた。顔は布で隠していて見ることは出来ない。
その人物から放たれる殺気が、一人分ではなく、影が少しだけ不穏な揺らぎを見せた気がした。
『オイオイ、刃物だけはやめてくれよ。俺、一応先端恐怖症なんだぜ?ちなみにナイフが一番ムリ』
両手の刃物を見るなり、手を上げて降伏のポーズをとるフェル。それを見て相手は確信したのかゆっくりとこちらに歩いてきた。
(隙があるように見えるが、常時こちらの出方を伺ってんなぁ。相当の手練れじゃん)
「「悪いけどさ、君の体もらうね?」」
澄んだ声だった、それが何十にも重なって聞こえる様子に、さすがの俺でも気付く。
『守征二十一柱の手先か?『悪魔』か『教皇』『太陽』らへんか?てことは、俺の体を乗っ取って、坊主を殺すつもりかよ』
目の前の人物は何も答えない。無言の肯定をしているようにも見えた。
『確かにな、あの三人組じゃあ俺が弱いってなるのは普通か……』
突如フェルから放たれる殺気、全身を貫かれるような悪寒。それを感知したのか咄嗟に戦闘体制になる。
『やめておけよ、俺の体なんざ。半端もんじゃ……死ぬぜ?』
地面が捲れ上がり、その手には錬金術もどきで作られた棍棒とこの世界では絶対にあり得ない物がもう片方の手に握られていた。ただの錬金術では作れない物、別の世界の科学の兵器を握っていた。
カシャン。
リボルバーの音が響く、無機物感漂う鉄の筒、そこから匂う微かな硫黄が路地裏に漂う。
その鉄の塊の口が、その刺客に向けられる。機械だけが持つ、異質な今まで感じたことの無い殺気。顔の半分を隠した男が、不敵に笑っていた。
ーー何かを確信したように。
刺客の影が隠せない程の揺らぎを見せた、まるでその物体の脅威を知っているかのように、この男を侮れば『死』しか無いと。
ただの鉄の筒のはずなのに、手の震えが止まらない。
「「何故、それを待っている。錬金術や王域技でも製造不可能のはずだ」」
『まぁ、錬金術やそこらのスキルだったらな』
路地裏の誰も知らない決闘が、今静かに始まった。
すんません、後付け設定です。
神域技
王域技
このように改名しようと思います。
これ以外のスキルは一般的に(スキル)と呼ばれています。




