作戦決行 其の七
ねむてぇー
「憤極乃寒剣」
右手に深紅の短剣が現れる
黒い鎧に赤い剣、注意するべきなのはやはりあの剣だろう
無言でお互い近づく、片方は通った道が凍り、片方は通った道の命が刈り取られていた
「神域技、剣神乃迫撃!」
ザブラが振るった剣の一撃、触れれば魂が吸い取られ、避ければ“余波”だけで体がえぐれる
その一撃にベアルは鎧を掲げ、手に持っていた石を砕き
「【不壊乃璧天】」
黒い鎧の腕部分が赤く変色する、黒鉄鎧は基本形態、用途タイミングでその姿を変える不壊乃璧天は防御形態、故に鎧のほとんどを腕部に集約している
己の一撃を防がれたことに驚きつつ更に近づく、腕に集約してるなら早く動けない…そう思い肉迫する、だがそんな考えは次に打ち砕かれる
「【天龍之空駆】」
高く、上に飛ぶ姿が見えた、今度は足と背中に鎧が集約されていた
「どおした?そんな呆けた顔をして?言ったろ『文明開花の音がする』って」
足が現代で言うならサブエンジン、背中が翼兼メインエンジンの役割をしている
「今の一瞬で魔石を結構使っちまったな」
【衝撃分散】【衝撃反射】【抵抗軽減】【制限浮遊】【効果持続】【反撃突破】【合成強化】
この全てが今の数瞬で使った魔石を使った魔法
「魔石魔法、か…いまだにその方法を使う奴がいるとはな、」
通常、魔法を一般的に使う、だがベアルは、魔法は扱えないということだから、魔法を使う手としてこれが一番正解に近かった
魔物から採れる魔力が詰まった石…『魔石』である、それに魔法陣を書き込み魔石を破壊することで効果を発揮する
「ほらほらどうしたぁ!付いて来いよ『剣聖』さまぁ!」
四方八方に飛び回り剣を振るう、だがその剣の全てが紙一重に避けられていた
「驚いたよ、魔石魔法を使える人間がいるなんて」
全ての攻撃を体を少しずらして回避し、剣を振るう
「クソッもう直ぐで魔石の効果が消える、早くしねぇといけないのに」
「終わりだ」
青白い光が一つになりベアルの『腹』
鎧を脱ぎ捨て角度を変え、回避するだが、振るわれた剣が横腹を切り付ける
「ぐっがあっっっ!!」
鈍い痛みに視界が一瞬赤に染まる
「なるほど、中々に面倒な相手だな。なら少し本気で相手しよう」
「犠魂剣ーーーー」
存在する五本の内の現存する四の刃の一振り
魂を吸い付く狂剣、それはただ鞘に…墓標の五本剣の一部の力
吸い尽くした魂を界放し、放つ一撃
「【犠魂之天伐】」
静かに放った魂の叫びは触れた相手の魂を離反し、肉体と魂の関係に終わりを告げる一撃
触れた地面が消え去り空間が歪み、山、海、大陸、空、ずっとずっと続いている斬撃
ベアルは体が消え去り、魂が砕け、終わった…
そのはずだった
「いってぇなぁあ!!」
消え去ったはずの体が戻り、何事も無かったようにその場にただずんでいた
髪が真っ黒になって頭にツノが生えた姿で
「嫉妬の王、行くぞ」
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