灰の雪に打たれて 其の八
ね、眠たい
目の前を飾るは、骨 骨 骨
その上に暴食が立っていた
「はぁ?」
夥しいほどの数の骨が俺の視界を埋める
「いやーまさか“夜”を退けるなんて、驚いたよ。まぁこっちの目的は達成したし」
その隣には、
「 」
俺は何も言えなかった
「結構大変だったんだよ、新しく星の罪を作るのは、君の子供には協力してもらったから感謝しないと。さぁここに新しい十二の星の罪、そうだね 『墓』と名付けようかな」
ゆっくりとこちらに歩いて来る、まるで助けを求めているような足取りで
「孤児院に置いてきた、戦場からかなり離れていたし兵士もいたはず」
「あぁ多少動ける奴いたけどまぁ美味しく食べたよー」
にっこり笑った
分かっている、ああなったらもう助からない、“夜”と同じで死なずただずっと彷徨うだけ、俺はもう何も出来ない
「なんで、なんで、何でだよ、何で関係ない人達まで殺して、巻き込んでいるんだ、殺してるんだ」
「いやいや、現実を観ましょうよ、今僕たちは何をしていますか?、戦争に人を殺す理由があるのかい?これは人を殺していい戦い何ですよ」
「僕達が今だにこうして健在かわかってます?それは、人間が罪深いから、それが何よりの罪なんだから、罪を犯すのに幸福を感じてしまったからだ、だからこの星の罪で僕たちは、天を堕とす」
少し高いテンションで言い放つ暴食の王
最後に耳元で一言
「もう貴方に何も守れない」
隣を素通りして『墓』を連れて下に行ってしまった
俺には何も出来ずただずっと見ていた
名前も知らぬ少年の悲痛な感情を…
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」
俺はどうすれば良かった、少し考えれば分かったことだ俺が動けばあいつがフリーになる
それぐらい、俺は全てを失った
「何が、何が強欲の王だ!何が全て奪うだ!全部、全部取りこぼしたあぁもう一度やり直したい、“今”に後悔しかない」
誰かが火を放った、風の流れに乗って燃え尽きた灰が上に、上に、雪に紛れて
灰の雪に打たれて
男の静かな鳴き声がよく晴れた空に響いてた
・・・・・・
感想待っています!




