『芯が詰まったプレスマン』
速記者がプレスマンを床に落としました。もちろん、よくないことです。速記者の魂と言えるプレスマンを床に落とすなんて、とんでもないことです。でも、まあ、床に落ちるプレスマンにも非がないとは言えませんので、ここでは、誰が悪いかを云々するのではなく、事実だけを見ていきましょう。
プレスマンを床に落とすと、プレスマンの中で、芯が折れてしまいます。そんなときのために、プレスマンには、ノック部分というかキャップ部分というか、おしりのところに針金がついていまして、これでペン先をつつくと、折れた芯が出る仕組みになっていたのですが、子供がこの針金部分で遊んで、けがをしたりしてはいけないという配慮なのでしょう、いつからか、針金の先端部分がくりっと曲げられて、ペン先をつつけなくなってしまったのです。
どうしましょう。針金のくりっと曲げられた部分をペンチで切ってしまえば、ペン先をつつけるようになるのですが、ここにペンチがあれば、針金だってありそうなもので、どうしようなんて考えなくて済みます。しかし、少し頭を使えば大丈夫です。折れた芯をペン先から除去するためには、別の芯をペン先に差し込めばいいのです。
速記者はそうしました。ペン先から押し出された折れ芯は、針金にならまだしも、仲間であるはずの芯に追放されたことに、深く心を痛めたのでした。
教訓:折れ心を押し出すために差し込んだ芯が折れると、悲しみのどん底に落とされた気になるんですよね。




