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4.二人の特別な力。

うおおおお、応援よろしくぅぅ!!

_(:3 」∠)_









「特別な、力……?」




 予想だにしない展開の連続について行けず、俺はついつい怪訝な声で答える。

 するとグラドニアは申し訳なさそうに、こう口にするのだった。



「試すようなことをして、すまなかったな。今のはお前の中に眠る力を確認するためだったのだ。もっとも、見込み違いなら死んでいたかもしれないが……」

「軽く言うなよ、爺さん……」

「しかし、儂の考えは正しかった。ラーズよ、お前には――」



 彼は呆れるこちらに、改めて言う。



「前代未聞の『無効化の力』が宿っている!」――と。



 それを聞いて、俺は首を傾げた。



「無効化、だって? なんだよそれ」

「にわかには信じられないと思うが、お前は周囲の魔法――正確にいえば、魔力の流れを完全に無に帰す力を持っているのだ。儂の魔法を霧散させたように、な」

「魔力を無に……?」

「あぁ、そうだ」



 いったい、どういうことか。

 説明を聞いても、俺は判然としない気持ちだった。

 しかし、現実となった事象は先ほどあったのだ。グラドニアの魔法攻撃を完全に打ち消したという、偶然とは思えない事象が。

 だが、それでも俺には気になることがあって――。



「でも、どうして爺さんは俺にそんな力があるって……?」



 ――なぜ、彼がその可能性を見たのか。

 俺は普通の魔法学校に通っていた学生に過ぎなかった。しかも魔法はからっきしで、素手戦闘くらいしか取り柄のない劣等生なのだから。

 それを考えていると、学長は静かに話し始めた。



「あぁ、それはな――」







「あ、ラーズ!」

「ミリア、お疲れ様」



 とある資料室の前で、幼馴染みと合流。

 俺たちはどちらともなく並んで歩きだし、怒涛の流れからの解放感に浸った。そんな中で、ミリアは少し悩んだ表情を浮かべてこう言うのだ。



「ね、ねぇ……? もし私が、凄い魔法使いになれる、って言ったら笑う?」

「ミリアが、凄い魔法使いに……?」

「……うん」



 どこか怯えた様子の彼女の言葉に、俺はグラドニアの言葉を思い返す。

 彼は、こう言っていた。



『お前の幼馴染み――ミリアは、前例にない魔力を秘めた少女だ。それが入学試験時に見落とされた。その原因となったのが、ラーズの力だからだ』



 俺の力が幼馴染みの魔力を平凡のレベルにまで、落とし込んでいたということ。

 ただ、さすがに常に隣を歩けるはずもない。あるいは入学試験の結果に違和感があったのか、俺たちの力はグラドニアの知るところとなったわけだ。

 そして、もう一つ。

 彼はこのようにも言っていた。



『ミリアの力は強すぎるが故に、狙われるだろう』――と。



 いったい、どこの誰から狙われるのか。

 それは分からない。しかし利用価値というのが理解できないほど、俺も馬鹿ではなかった。だからそれを聞いて、改めて決意したことがあったのだ。

 そのための質問をミリアに、いつもの調子で伝える。



「ミリアは、どうしたいんだ?」



 すると、しばし考えた後に。

 幼馴染みの少女は、気恥ずかしそうにこう答えるのだった。




「私は……うん、そうだね。私は――」




 こちらを見上げて、笑顔を浮かべながら。




「いつもみたいに、ラーズの隣にいたい!」――と。




 だったら、俺は力の限りで守ろう。

 昔からずっと、全力でそうしてきたように。




 だから、彼女の答えに一つ頷いてから教室を目指すのだった。



 


面白かった

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