1.新しい環境と仲間。
頑張って書くお(*‘ω‘ *)色々……。
あとがき下リンク先の作品もよろしくね。
――王都立魔法学園、一年三組。
そこは平均的な成績の学生、そして身分に関係なく詰め込まれたクラスだった。今回のミリアのように、平民の学校から編入してきた生徒はだいたいここ。彼女の付き添い入学となった俺も、同じく一年三組だった。
「ミ、ミリア・アストリアです! よろしくお願いします!!」
幼馴染みが挨拶をすると、歓迎する声とパラついた拍手が起こる。
どうやら貴族も在籍しているが、成績の近い者同士の集まりであるために派閥はないようだった。要するに目立った生徒もおらず、落ちぶれた生徒もいない、ということ。
いいや、強いて言えば今この瞬間に例外がぶち込まれたか。
そう――。
「えー……ラーズ・エルミクスだ、よろしく」
――これといって才能のない俺が、入学したのだから。
先ほどと、拍手の大きさは変わらない。だがしかし、周囲の視線は少しばかり物珍しさを感じられた。それもそのはずで、編入生の付き添いで入学、なんてのは例外中の例外だからだ。ただでさえ入学困難な王都立魔法学園において、それがどれだけ目立つことか。
追加で、成績もおそらく底辺レベル。
るまりは悪目立ちしてしまう、ということだった。
「あー、二人は最後尾の空いてる席に。それでは、授業を始めるぞ」
そんな中、挨拶も程々に授業が開始される。
俺は窓際の席について、ぼんやりと空を見上げるのだった。
◆
内容をまったく理解できない座学の授業が終わり、休み時間。
多くのクラスメイトは一斉に、ミリアの周囲を取り囲んだ。そして矢継ぎ早に質問を飛ばすのだが、幼馴染みは分かりやすく狼狽えていた。
説明を省いていたが、ミリアの容姿は平均以上――いや、上の上。
特に男子学生が興味津々、という感じだった。
「それに比べて、こっちは閑古鳥か」
対して俺の方といえば、誰も――。
「おう、編入生! お前の方は、ずいぶんと寂しいな!!」
「……ん?」
――と、思ったら一人いた。
どことなく三枚目な印象を受ける男子生徒。
金髪のツンツン頭に、開いているのか曖昧なほどの糸目。何が面白いのか分からないが、常に口角が上がっているような顔立ちをしていた。
こちらが首を傾げていると、男子はこう自己紹介する。
「オイラの名前はゼクス、ってんだ。いちおー貴族の末席にいるから、分不相応に魔法学園の中にぶち込まれた哀れな男だぜ」
「……あぁ、仲間ってことか?」
「そうそう! 身分こそ違うけど、似たような境遇だからさー!」
俺の前の席に腰かけて、ゼクスは愉快そうに笑った。
嫌味などまったく感じないほど清々しい自虐を口にする彼に対して、こちらは少なからず警戒心を解く。というか、自然と懐に入り込まれたような感じだった。
そんな空気を察したのか、ゼクスは前のめりになって距離感を詰めてくる。
「ところで、さ? ラーズはどれくらい、魔法できるの」
「いいや、欠片ほどもできないよ」
「マジかよ!」
俺が笑いながら返すと、ゼクスも腹を抱えて大笑い。
そして、こう言うのだった。
「オイラもからっきしだぜ! マトモに初級魔法も使えねぇ!!」
「うわ、それはひでぇな!」
「お前が言うな、っての!!」
俺が軽い調子で答えると、笑いながらツッコまれる。
何というか、初対面なのに良い意味で遠慮がない奴だった。このような間柄の仲間がいるのは、幸運だったというところだろうか。
そう思っていると、教室の出入り口の方から名前を呼ばれた。
「ミリアとラーズ! 少し話があるから、こっちにこい!」
「え、はーい……?」
担任教師からの呼び出し。
俺とミリアは互いに顔を見合わせ、ひとまずゼクスに断ってから出るのだった。
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