五話
さて、次は第二試験だ。次のは威力を確かめるらしい。リューザン先生が防御魔法をかけてるから全力でいいと言われた。良かった。今回も私はまた最後だ。また他の人のを見てることにした。
威力となると、王族のルパートは有利だ。王族の魔法は威力が高い。一方アゼルナは威力を出すのが苦手らしい。それでも彼女は平均より遥かに強い魔法を使った。いよいよ私の出番が来た。
「全力でいいんですよね。」
私はリューザン先生にそう聞いた。
「えぇ。防御魔法があるから、子供の使う魔法なら大丈夫よ。」
「良かったです。でも一応、後ろで見ててもらえますか?」
「えぇ。」
危ないからね。
「龍炎隕石」
直後、爆風が轟いた。あたりに砂埃が舞い、ようやく全員の目が使い物になるようになって、最初にみんなが見たのは溶けた後の地面と、大きなクレーターだった。サーザン先生に詰め寄られた。
「い、今のは一体・・・!?」
「全力で、と言われたので頑張りました。」
「ロウランさん、嘘は良く無いわ」
リューザン先生は私と目を合わせ優しくそう言った。嘘?どういうことだろう。
「怒らないから正直に言ってちょうだい?あなたは誰を雇ったの?」
雇う?ますます意味が分からない。
「あなたは、目立ちたくて強い魔法使いを雇った、そうでしょう?」
「あの、さっきから何を・・・」
「さあ、正直に言って?誰なの?」
「あれを使ったのは私です。」
「そう、認めないのね。残念だわ。こっちに来なさい。」
私は校長室らしき所に連れていかれた。中には銀髪碧眼のおじいちゃんがいた。
「あぁ、リューザン君か。校庭で何かあったのかい?随分とすごい魔法だったが・・・誰が?」
「まだ分かりません。この子に聞いてるんですけど、自分がやったと言い張ってて。」
「君があれを?」
「校長先生、子供の戯言なんか本気にしなくても」
「戯言という証拠がないだろう?」
「しかし子供があんな魔法できるわけが」
その言葉で、私はプツッとキレてしまった。
「さっきっから子供子供って、どうして言ってることをその一言で片付けるんですか?私があれをやったと言っていますよね!」
「見栄を張るのはいい加減にしなさい!」
「見栄じゃありません。事実です。」
「まだそんなことをー」
「ロウラン君、あれは何属性を使ったんだい?君がやったならわかるよね。」
「えぇ、火、土、闇の三つです。」
「デタラメを言わない!三属性なんて、使えるわけが・・・!」
「いや、彼女は事実を言っているよ。悪いねロウラン君、調べさせてもらったよ。」
「かまいません。それで、どこまで見れました?」
「おそらく半分くらい。」
「それは素晴らしい。」
「君は、全ての属性を使えるんだね?」
校長の目がきらりとひかり、顔に真剣みがました。
「なるほど、そこまでは見れたんですね。」
「別室に移ろう。ここには多くの眼と耳がある。ついてきてくれ。」
「わかりました。」
私達は地下室に降りた。
校長先生は魔法の研究が大好きです。