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公爵令嬢は普通になりたい  作者: 月乃夜
二章 冒険者リアン
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十六話

奥へ入ると居間のような部屋に案内された。

大きな机を囲うようにそれぞれ椅子に座る。


「改めて、ミーさんはミセリアなのですよー。」


少し警戒したように少女は言った。

男もおずおずと口を開く。


「ぁ・・・え、っと・・・ス、ウェイ・・・です・・・」


これは私たちも自己紹介をした方が良さそうかな?

ヴォルクさんも今の所なんともないみたいだし、まだ大丈夫だろう。


「初めまして、俺はリアンです。」

「私アリア。で、こっちのガラが悪いのが私の兄の———」

「一言余計なんだよ・・・、ヴォルクだ。」


ガラ悪い・・・・確かにそうだけどこんな時も言われるなんて・・・


「さっき言った通り、俺はゼノ!」

「よろしくなのですよー。・・・それで、今日は何の用なのです?」


みんなが私の方を向いてきた。

ん?私が説明をするのか?


・・・どうやらそうみたいだ。


「俺たちは新ダンジョンということでここに来ました。行方不明の冒険者捜索も兼ねて。」

「ゆ、行方・・・不明・・・?」


私が冒険者たちの話をすると男・・・スウェイさんが驚いたように言った。


「えぇ。ここに来たはずの冒険者が行方不明で。」


そう言った途端、彼はガダガタと震えながら立ち上がり私たちに近寄ってきた。


「ぼ、僕が悪いんです!ミセリアは何も悪くないんです!!だから、だからミセリアだけは・・・・!」


やっぱり冒険者らが行方不明になったのは彼らが関わっていたのか・・・。

僕が悪い?どういう意味だろうか。


「スーさん!?———違う、違うのですよ!ミーさんが勝手に・・・・!」

「あの、お二人とも落ち着いて・・・」


私たちは顔を見合わせた。

二人ともパニックになっているようだ。

こんな状態じゃまともに話も聞けない。

でも事情を知ってるなら聞いときたいんだけど・・・・どうしたものか・・・・


「あ゛?」


私が迷ってるとヴォルクさんが急に後ろを振り返って目を細めた。

・・・また野生の勘かな・・・?


「・・・チッ・・・」


元々治安が悪い顔が更に悪くなってる・・・

子供とかが見たら泣いちゃいそうだなぁ


「おい。」

「兄貴?どうしたの?」

「誰か来てる。」

「っ!何人?」

「5人。」


・・・なんでわかるんだ?

でもまぁとりあえず二人にも知らせないと・・・


そう思って振り返るとスウェイさんが倒れていた。


「っ!?」

「え、ちょっと何が———」


アリアが焦ってスウェイさんに駆け寄ろうとした。

その時だった。




視界がぐにゃりと歪んだ。



アリアとゼノ、ヴォルクさんがその場に崩れ落ちた。



頭にキーンという高い音が響いた。



誰かの声が聞こえる気がする。



私もその場に崩れ落ちた。



視界が真っ暗になった。





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