十三話
~フェイジの視点~
「何度説明させれば気が済むんだい?」
「えぇ、えぇ。何度でもお伺いいたしますヨ。必要な情報を得るまでネ。」
まったく、いい加減にしてほしいね。
王太子殿下がお倒れになられて、警備兵が来て、話を聞きたいだなんだと言って連れてかれて。
もう軽く3時間は経っている。冗談じゃない。
目の前にいる長い黒髪に糸目の男は何度も何度も繰り返し同じことを聞いてきた。
しつこいにも程がある。これは尋問か何かなのか?
「必要な情報、ね。」
「えぇエェ、そうですとモ。殿下が突如としてお倒れになった原因、それを知るまでは終われませんかラ。」
「僕がそれを知っているとでも?」
「他に誰がいると言うんです?あの部屋にはアナタしかいませんでしたヨネェ?」
どうしたものか。
情報があるなら僕が知りたいくらいだ。
とにかく一度父上に話を聞きたい。一刻も早く家に戻らなくては。
「いかがです?何か思い出せましタ?」
「思い出すも何も、今言ったことが全てだよ。これ以上話すことはない。」
「・・・そうですカ。」
目の前の男は笑顔を引っ込めて急に立ち上がった。
そしてこっちの顔をじっと見てきた。
一体なんなんだ?
「ではぁ・・・アナタの妹君がどこにいらっしゃるか、ご存知ですカ?」
「は?」
妹?何故唐突にロウの話が出てくるんだ?
「妹なら実家に戻って療養中だけど、それが何か?」
「実家・・・実家、ですか・・・。本当に?」
「しつこいね。あぁ、実家にいるよ。」
「おかしいですネェ・・・以前部下をノヴェユール邸まで向かわせたのですが・・・いなかったと、聞きましたが?」
「!」
こいつ、目的は殿下のお倒れになった原因ではなくロウの方か!
何が望みだ?なんのためにロウのことを探る?ロウは無事なのか?
「もう一度、お聞きいたします・・・。妹君は、今、どちらに?」




