十二話
「とーちゃーく!!」
「おぉ、結構広いじゃねぇか。」
「他のダンジョンより綺麗だね!」
普段見るダンジョンは古臭・・・失礼、趣のある見た目をしていた。今にも壊れそうなくらいなものもあったくらいだ。
でもこのダンジョンはすごく綺麗だ。建物が傾いてないし壁にシミもない。なんなら庭すらある。
・・・いや、おかしくないか?汚れやらなんやらはともかくダンジョンに庭はないだろう?え?
「よーし!とっつにゅー!!」
ゼノはそう言いながら走って中に入って行った。
ちょ、危ないんじゃ・・・
「あのガキ、先行きやがって・・・!俺らも行くぞ!!」
「「はーい」」
とりあえずまぁ、入ったら分かるか。
おかしい
さっきから一度も敵に合わない。
歩いても歩いても景色に変化がないし。角を曲がって、進んで、曲がって、進んで、
もう方向感覚が狂いそうだ。
「ねぇ、なんかおかしくない?」
「ずっと同じところを回ってるような気も・・・」
「えー!全然敵いないじゃん!!つまんねぇ」
「おい、他の冒険者見かけたか?」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
見て、ない・・・気がする。うん。大変だ。見てない。
新しいダンジョンということで冒険者は集まっていたはずだ。事実入り口付近には人が集まっていた。
だというのにダンジョンに入ってから誰一人見ていない。
流石にまずいよな・・・
「どうしよ———」
ドガァッン
「はい?」
ヴォルクさんが唐突に剣で辺りを切り付け出した。
気が狂ったのか?
ガンッガンッ
「え・・・黒の兄さん狂った?だいじょぶそ?」
ガンッガンッガンッ
「・・・あった。」




