十話
『昔、シャドネイル王国がまだ存在していなかったころ。とある辺境に二人の姉妹がいた。
姉のアクィラは月の光のような銀の髪と遠くまで見通す紫の瞳を持っており、妹のアウレアは太陽の光のような金の髪と癒しの力を持つ桃色の瞳を持っていた。
二人は両親と共に平穏な生活をしていた。
しかしある日のことだ。アクィラが魔物に襲われ怪我を負ったのだ。街の人たちは言った。
「アウレアが魔物といるのを見た。」「アウレアが魔物にアクィラを襲わせたのだ。」
アウレアは必死に否定した。だが両親もアクィラもアウレアを信じなかった。皆アウレアを避けるようになった。アウレアの悪口が飛び交った。
アウレアは姿を消した。
それから数ヶ月が経ち、黒い髪の女が大量の魔物と共に辺境を襲った。女は、アウレアだった。彼女は両親を殺し、街の人々を虐殺した。許さない、許さない、そう呟きながら。アウレアがアクィラをも殺そうと手を振り上げたその時、ある男が剣を持ってアクィラの前に立ちアウレアの腕を切り落とした。アウレアは男とアクィラを睨みつけた。しばらくの間、男とアウレアは睨み合った。アウレアは魔物らと共に辺境を去った。
男は言った。
「初めまして聖女様、僕はアレクシス。助けに来るのが遅くなってすまなかった。どうか僕と共に、元凶を討ち果たしてくれないか?」
「元・・・凶・・・・」
「あの黒髪のあいつは悪魔だよ。あいつは多くの人を殺すことしか考えてない。あいつを倒さないと更なる被害が出てしまうんだ。」
「あの子は・・・彼女は・・・私の・・・」
アクィラは俯き混乱したように呟いた。
「違うよ。もうアレは君の妹じゃない。悪魔に憑かれてしまったんだ。早く解放してあげないと。」
男・・・アレクシスは微笑みアクィラに手を差し伸べた。
アクィラは辺りを見回した。
どこを見ても、死体死体死体。景色は赤く染まっている。
彼女は心を決めアレクシスの手を取った。
その後二人は旅の仲間を見つけ旅をし、全ての元凶であるアウレアを探した。
アクィラとアレクシス、そして頼りになる仲間たちはついにアウレアを倒した。
こうして世界に平和が訪れた。
アレクシスはボロボロになってしまった人々をまとめ上げ新たな国を立ち上げた。
それが今のシャドネイル王国であり、アレクシスこそがこの国の初代国王なのだ。
その国はいつまでも聖女の加護に守られているのだ。』




