七話
あ゛ーーーーー
ほんっとになんなの!?
リアンさんと別れた後、私アリアは心の中でそう叫んだ。
いや、ほんとにマジでなんなの?!
初めて見た時はすごい綺麗でお上品でかっこいい人がいてすごくびっくりして。うっかり鑑定しちゃってその結果に驚いて・・・口悪くてガラ悪いの見られてて・・・本当に恥ずかしい・・・まぁ、引かれてはなかったっぽいけど・・・話してみたらやっぱり紳士的でかっこよくて!しかもちょっと抜けてて可愛いって・・・もーほんとーにさぁ!!頭おかしい人みたいに叫ばなかった私偉い!しかも・・・しかも一緒のパーティーになれて!!
夢なんじゃないかと思ってくる・・・
マジで・・・あんなにかっこいい人っているんだなぁ・・・・
あ゛ー次会った時変な顔しないように気をつけなきゃ・・・
「って、なんか新しい張り紙出てる・・・」
いつのまにか宿屋についていた。
一階の食堂の壁にはよく最近の新聞や募集のチラシなどが貼ってある。
大抵くだらないことが書いてあるがたまに、極々たまに有益な情報が手に入ることもある。
「どれどれ・・・ふぅん。新ダンジョン発見、冒険者求む・・・か。あんまり強い敵でないみたいだし・・・リアンさんとの最初の活動にちょうどいいかも・・・?明日聞いてみようかな。」
「リアンって誰だ?」
「うわぁっ!!って、兄貴・・・。」
急に声をかけられ驚いて振り返るとクソ兄貴・・・じゃなくて兄がいた。
「うわぁってお前なぁ・・・」
「こっち来るなんて珍しいじゃん。どうしたの?」
「いや、まぁ・・・ちょっと、な。」
「暇なの?兄貴、最近仕事ないとか?うちの商会売れてないの?」
そう。私の実家は商会をやっている。そこそこ大手でこのあたりの人なら名前くらいは聞いたことあるだろう。それに兄貴は学園に通っている。私と違って魔法使えるから・・・。そのせいで兄貴に勝てたこと一回もないんだよね。いやまぁ、魔法なしでも強いんだけどさ。そういえば最近、自分より強いやつが学園にいたーって言ってたな・・・確か・・・ロウラン様?だっけ?聞いた感じご令嬢って感じなのにすごいなぁ・・・いつか会ってみたい。
「売れてるに決まってんだろ。暇でもねぇよ。」
「えぇー?じゃなんで?」
私がそう言ったら、兄貴は急に真剣な顔でこっちを見てきた。
兄貴はたまにこういう顔をする。こういう顔をするのは商談の時か、迷ってる時だ。私に話すかどうか。
「兄貴・・・いや、兄さん。私だってもう子供じゃない。学園でなんかあったんだろ?言ってみろよ。」
「・・・」
「兄さん。」
「・・・」
あ゛ー!埒があかねぇ!
「ちょっと来い!」
私は部屋に兄貴を連れてった。
そして兄貴の胸ぐらを掴んだ。
「ヴォルク・マーキス・ヴァルノー!!私はそんなに頼りないか!?確かにアンタよりは弱い。あぁ弱いとも!けどなぁ!私だってヴァルノー侯爵家の一員なんだ!!アンタが背負ってる重荷は!私も背負うべきものなんだよ!!」
「・・・・」
兄貴はびっくりしたように眼を見開きこっちを見てきた。
ゆっくり口を開き小さな声で言った。
———王太子殿下がお倒れになられた。




