side story ~ノヴェユール家の会談~
婚約破棄騒動から2日後
ノヴェユール公爵邸に彼らは集まっていた。
「本当に、許せないね。」
ロウランの兄、フェイジ・デューク・ノヴェユール。
彼は口元に笑みを浮かべそう言った。しかし、その瞳には笑みは浮かんでいない。
「やっぱり、あの時、殺って、おけば・・・」
ロウランの弟、イルバ・デューク・ノヴェユール。
彼は淡々とそう言った。その声には殺意と怒りが滲んでいる。
「もう、二人とも落ち着いて。ロウちゃんがそれを望まなかったんでしょう?」
ロウランの母、ナトリア・デューク・ノヴェユール。
彼女はおっとりとした口調でそう言った。だが、この3人の中で一番怒りを滲ませているのは彼女だろう。
「それで?今日はなんのために私たちを集めたのかしら?」
「殿下から便りをいただいた。」
「いらないわ。」
ナトリアはあたりに冷気を放ちそう言った。
言葉には出さないがフェイジもイルバも同じ思いだった。
大事な大事なロウランを捨てたやつからの手紙など、誰が読むか、と。
「暖炉にでも焚べて燃やしてしまいなさい。目に入れる価値もないわ。」
「まったく、どの面下げて・・・」
「信じられない。あんなに、酷いこと、しておいて・・・。」
「禁忌魔術の使用痕跡が見受けられた。」
彼のその声は何故かひどく響いて彼らは口を閉ざした。
フェイジはガタンと音を立てて立ち、父に詰め寄った。
「それは一体どういう・・・いえ、それがロウにどう関係して・・・ロウに危険はあるのですか!?」
「使用したと思われるのはオースウェン男爵の娘・・・分かっているのはそれだけだ。」
「ハァ・・・。とりあえず・・・要観察ってとこかしら。」
ナトリアは憂鬱そうにそう呟いた。




