一話
なんだかここに来るのは久しぶりかもしれない。
学園に入る前まではよく来ていたけど学園に入ってからは忙しくて全然来れてなかった。
たまに、記憶が抜けてる時もあったし・・・。結局原因は分からないままだ。
まぁ、いいか。
私は冒険者ギルドの扉を開けた。
ドンッ
「うわっ」
中から出てきた人とぶつかってしまった。
出てきたのは少女だったらしい。どこか痛めてしまったのか、目に涙を浮かべている。
ど、どうしたものか・・・
戸惑っていると少女は目を見開いた。
「嘘・・・全属性持ち・・・?」
!?
まさか、気づかれた?
いや、そんなはずない。宮廷魔導士ですら私のステータスは見えなかったんだ。見れたのは学園長くらいなもので・・・
でも確かに彼女は全属性持ちと言った。
彼女の能力か・・・?
とにかく、この場をどうにかしないと・・・。
「ごめん、怪我はない?」
頼む。今は普通に接してくれ!!
「う・・・あ・・・は,い。大丈夫です。すみません、前を見ていなくて。」
「そっか、良かった。じゃあ。」
そう言って私はその場を離れた。
彼女のすぐ隣になったとき、小さな声で呟いた。
「10分後、街の広場で。」
この子はなかなか使えるんじゃないかな。
是非とも仲間になってほしい。
そんなことを思いつつ私は冒険者ギルドの受付へと向かった。
「こんにちは。冒険者登録をしに来たんですけど・・・」
「おいおい、お前みたいなガキが冒険者、だぁ!?笑わせんなよ」
私の言葉を遮ったのは見るからに柄の悪い冒険者のオッサン・・・じゃなくて男性だった。
・・・ギルドの規定てきにはもう大丈夫だったはずなんだけど・・・
「何か問題でも?」
「いいか?ここは遊び場じゃねぇんだ。死にたくなけりゃ大人しく帰んな坊主!」
「僕だってさすがに遊びできてませんよ。」
もういいかな。
早く登録しちゃいたいんだけど。
あの子を待たせちゃ悪いし・・・。
「あの、もういいですか?登録したいんですけど。」
「バカにすんじゃねぇぞ!!おもてでろや!!!」
・・・だるっ。
あー面倒だしさっさと終わらせよ。
多少は手加減して・・・
「オラァァアアアアアアア!!」
そいつは外に出た瞬間斧を手に一直線に一直線に向かってきた。
は、ちょ、まだここじゃ周りに被害が
「アブナイなら、壊さなきゃ」
「え・・・・?」
急に聞こえたその声に手間取っていると、やろうとしてもいないのに私は魔法を放った。
手加減せず、全力で。
「は、ちょ、ま。」
間に合わない。
頼む、死なないでくれ!
男に魔法が当たる、その瞬間、魔法がかき消えた。
「悪ぃがそこまでだ。」
魔法をかき消したのは長いローブを身に纏い、メガネをかけた女性だった。
冒険者ギルド副長、アルドネラだ。
とりあえず、相手は死なずに済んだらしい。
「そこの坊や。ちょっとアタシと話をしようか。」
アルドネラさんは国で一番の魔法使いと呼ばれるほどの実力者だ。
口は悪いが優しく、冒険者たちからも慕われている。
まぁ、何人かは喧嘩を売って負けて従っているってやつもいるらしいが・・・。
喧嘩っ早い冒険者たちをまとめられるのは彼女だけだろう。
私は彼女を尊敬している。
・・・が、どうやら私は悪い意味で目をつけられてしまったらしい。
これからどうしよう。




