第一章 エピローグ
「お父様、私公爵令嬢をやめます。」
バキッ
私がそう言った途端、お父様は持っていたペンを折った。
・・・大丈夫だろうか。
「・・・それは、この家を出て行くということか?」
「今回の一件で多大なるご迷惑をおかけしましたし・・・。その、なにか問題が?」
もしかして、また新たな婚約者を準備してしまったとかそういうことだろうか。
「いや、そうではないんだが、その・・。」
なんだろうか。うーん。分からない。
ガチャ
入ってきたのはフェイジお兄様だった。
「父上はロウが居なくなると寂しいから行かないでほしいって言ってるんだよ。」
「おや、お兄様。面白い冗談ですね。ね、お父様。」
そう言って振り返ると、お父様はキョロキョロしだした。
ん?まさか・・・
「お父様?」
「・・・う、む。」
まさかのまさかだ。
「ねぇ、ロウ。別に公爵家の一員のままでも冒険者になっていいんじゃないかな。」
「ぼぼぼ、冒険者ぁ!?」
「あれ、ご存知なかったんですか父上。」
あーばれちゃった。
内緒にしてたんだけどなぁ父上には。
「うーんできますかね?外面・・・じゃなくて外聞が悪いんじゃないんですかね。」
「そりゃあ公爵令嬢ロウラン・デューク・ノヴェユールとして冒険者になったらね?でも、例えばだよ?ノヴェユール公爵令嬢は病で倒れてしまった。でも国のために何かしたいと思った彼女はとある有望な冒険者の支援をすることにした。少しでもいいから国のために何かしたいと思ってね。そして、その冒険者は国の害となる魔獣たちを討伐し国に貢献する。自らを支援してくれた公爵令嬢に恩を返すため。・・・素晴らしく感動するいい話じゃないかい?」
・・・さすがお兄様、知恵が回る。私もこうなりたいなぁ。
「それならその冒険者と公爵家に繋がりがあってもおかしくない。私のスキルが役に立ちそうですね。」
「じゃあ話を詰めようか。」
皆で話し合った結果、設定はこう決まった。
私、ロウランはある病で倒れてしまった。
しかしどうにか国に貢献したいと考えた私は将来有望な少年「リアン」の支援をし、冒険者としてリアンに国のため動いてもらうこととした。
リアンは貧しく、明日の食糧にも困っていた。そのため支援はありがたく、彼は私に心から感謝し忠誠を誓った。そして恩人である私のため、私の手足として動くことを決意したのだ。
・・・国民受けのしそうな話だ。
これなら明日には冒険者登録ができそうだな。
これにて一章完結!次回から二章が始まります!!




