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ある衛兵長の呟き
私はエリクソン・バロン・フォレンティア。
フォレンティア男爵家の次男であり、光栄なことに衛兵長の役を任ぜられている。
今日は私は会場の警備をしていた。
そこでだ。私が信じがたいものを見たのは。
お優しく温厚、誰のでも分け隔てなく対応する。
そんなお方が少女の腕を振り払い冷たい視線で射抜いたのだ。
まるで・・・
まるでお怒りになっている陛下のような、まさに上に立つ者の目だった。
己に向けられていないと分かっていても、思わずその場から逃げ出したくなるような。
しかしまぁ、少女も少女だ。
以前より、殿下からその者のことはよく見ておくようにと言われていた。
マナー知らずで思いやりの心もない。メイドや清掃員に傲慢な態度を取り自らより高位の者にも平気で文句を言う。
ロウラン様は大丈夫だろうか。あのお方のことだから大丈夫だとは思うが・・・。
あのお方は我々にも丁寧に接してくださる。
「まったく・・・これから一体どうなることやら・・・。」
今回ほんとのほんとに短いです。




