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公爵令嬢は普通になりたい  作者: 月乃夜
第一章 公爵令嬢 ロウラン・デューク・ノヴェユール
32/62

二十九話

久しぶりの投稿です

またいつもの令嬢が騒いでいる。

ったく、なんでそんなにあいつに突っかかるんだか。


今回のも、いつも通り虚言。

そう思っていたのに。


俺は信じられないものを見た。

いまだに自分の目がぶっ壊れてんじゃねぇかと思う。


だって、あいつが、令嬢を突き飛ばした?

しかも、それが当然だと言う?

あんな、あんな顔するなんて。


これは夢なんじゃないか?

そう思いたかった。


だから壁に頭ぶつけてみたりした。

そしたら痛かった。

痛かったんだ。


なんであんなことしたんだ?

人が変わっちまったみたいに。

なんで。

なんで。



そっから、俺たちの日常は崩されていった。



『聞いた?ノヴェユール公爵令嬢様、リリーザ様を叩いた挙句、汚いって言ってハンカチで拭ったんですって!!』

『信じられない。いくら公爵令嬢だからって・・・』

『いい人だと思っていたのに。』


『ノヴェユール様、人に命令してリリーザ様の教科書破り捨てたらしいわよ。』

『聞きましたわ。何人も見たんですって。』

『しかも、男爵令嬢風情がって呟いたらしいわよ。』

『あれでしょ?殿下とリリーザ様が仲良くなさっているから、嫉妬したんでしょ?』

『女の嫉妬は醜いな。』



あいつの評判は落ち続けた。


一体なんで・・・。


それから数ヶ月経ち夏休みに入り少ししたころ、王宮への召喚命令が来た。

は?

なんで急に王族が?

クソ、忙しい時に。


俺は渋々王宮へ行った。


俺を呼んだのは他でもない、王太子ルパートだった。

彼の顔は暗い。



「今日はどうなさったのですか、殿下。」

「君は、彼女の噂を聞いているか?」

「噂?最近のあれですか?」

「そうではなくて・・・・それでは、なくて。」


他にあいつの噂なんかあったか。

それより前の、有名な噂ぁ?


あぁ、あれか?


「「銀髪の悪魔。」」


俺と殿下の声が被った。

悪魔とあいつになんの関係が?


「あれは、彼女を指した言葉なんだ。」

「はぁ?」

「彼女は、小さい頃から魔力が高くて。それに———」


俺は手で殿下の話を遮った。


「それ以上は、本人の口から聞きます。」

「・・・君は、本当に・・・。」

「はい?」


彼はゆっくりと首を振り、目を閉じた。

そして何かを決意したかのような眼差しで俺を見てきた。


「彼女には手助けなど必要ないのかもだけれど・・・ヴォルク・マーキス・ヴァルノー。」

「・・・はい、殿下。」


急にフルネームで呼ばれた。

どうしたんだ?

殿下は寂しげな笑みを浮かべ、口を開いた。


「彼女のこと、よろしくね。」

「一体、どういう・・・」


殿下はそれ以上何も言わずに俺の前から立ち去った。



そしてしばらく経ち、殿下はあいつとの・・・ロウランとの婚約を破棄した。

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