二十四話
私は食事を再開した。
「食事、少し冷めてしまいましたけど美味しいですね。」
それから30分たち、魔術部門の大会が始まる時間になった。
「頑張れよ。」
「頑張ってください!」
二人の応援を聞きながら、私は控え室へ向かった。
しばらく経って、私の番が来たらしい。
案内役の人が呼びに来た。
会場に向かうと、反対側にリリィ様がいた。
おやおや。
最初から運がいい。
「初めっ!!」
審判のその声で、試合が始まった。
「5分。5分であなたを倒してあげるわ。」
「健闘を祈りますよ。」
「その余裕がいつまで持つかしらね。『炎と風、二つの属性を司りし龍神よ。今一度我が前に姿を現せ。汝の炎で全てを焼き尽くし、汝の風で全てを薙ぎ払え!!召喚・炎風龍!!』」
はは。
殺す気かよ。
ま、これくらいなら死なないけどね。
「全部燃やしてさしあげますわ!!『炎風龍よ、汝が吐息で焼き尽くせ!!灼熱吐息!!』」
『美しく恐ろしき氷を司りし女神スカジよ。汝の力を知らしめよ。全てを氷で包み一面を青く染め、一時の間世界を己が物とせよ。氷陣』
私の足元を中心に、パキパキと音を立てて床が凍りついた。
その氷は龍の元まで辿り着き龍をも凍らせた。
「なっ!!嘘でしょう!!?」
「・・・2分経過。」
私は小さく呟いた。
そして魔法を解除し、元に戻した。
「っ。私の力はこんなもんじゃ、こんなもんじゃないわ!!『雷よ。地を這い敵を滅せよ。』
魔力が暴走してる。
まずい。
彼女の魔力量は決して少なくないんだ。
もし、広範囲に魔力がいったら・・・!
「『汝が雷は全てを滅す。汝が雷は全てを焼く。汝が雷は全てを無に返す。我は望む。汝が力の加護を。汝の力を。舞え。轟け。響け。滅せ。焼き尽くせ。爆ぜよ。混沌の宴を始めよ。黒雷之宴!』」
『召喚・胡蝶』
私はあの蝶を呼んだ。
「『蝶よ。舞え。踊れ。魔力を奪い、舞い踊れ。』間に合え!!」
蝶たちは舞い踊るたびにあたりの魔力を吸収した。
リリィ様が放っている魔力も徐々に吸収され、収まっていく。
「一度眠りなさい。『蝶の眠り』」
リリィ様から力が抜け、崩れ落ちた。
前言撤回。
最初からしんどかった。
「勝者、ロウラン・デューク・ノヴェユール!!」
私は一度、控え室に戻った。
疲れた・・・、このあとはこんなにしんどくないといいんだけど。
残念ながら、私の願いは叶わなかった。




